「新築の家づくり、どんな窓にしよう?」
ハウスメーカーや工務店との打ち合わせで、たくさんの窓のカタログを見せられて、種類の多さに圧倒されていませんか?
窓は、家のデザインや外観の印象を決めるだけでなく、室内の明るさ(採光)、風通し(通風)、夏の涼しさや冬の暖かさ(断熱性)といった暮らしの快適さを大きく左右する重要なパーツです。
なんとなくで選んでしまうと、「部屋が思ったより暗い」「風通しが悪くて夏暑い」「外から室内が丸見えだった」といった後悔につながることも少なくありません。
そこでこの記事では、家づくりを始めたばかりの方に向けて、窓の基本的な種類と名称を写真付きで分かりやすく一覧にまとめました。
それぞれの窓のメリット・デメリットから、場所や目的別のおすすめの選び方まで、この1記事でまるごと解説します。ぜひ、あなたのご家族にぴったりの窓を見つけるための参考にしてください。
この記事の目次
窓の種類と名称一覧【写真付き】
窓の種類は、大きく分けて「開閉方法」と「形状・デザイン」の2つの視点で分類できます。まずは、どのような種類があるのか全体像を把握しましょう。
開閉方法による分類
窓をどのように開け閉めするかによって、以下のような種類に分けられます。通風や使い勝手に大きく関わる分類です。
- 引き違い窓
- すべり出し窓(縦・横)
- 突き出し窓
- 上げ下げ窓
- FIX窓(はめ殺し窓)
- 倒し窓(内倒し・外倒し)
- 片開き窓・両開き窓
形状・デザインによる分類
窓がどこに、どのような形で設置されるかによる分類です。採光や部屋の印象、家具の配置などに影響します。
- 掃き出し窓
- 腰高窓
- 高窓(ハイサイドライト)
- 地窓(ローサイドライト)
- スリット窓(細長い窓)
- 出窓
- 天窓(トップライト)
これらの窓は独立しているわけではなく、「リビングの床まである大きな引き違い窓」を「掃き出し窓」と呼ぶように、組み合わせて考えます。
次章から、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
開閉方法別の窓の種類と特徴
ここでは、窓の「開け方」に注目して、それぞれのメリット・デメリット、おすすめの設置場所を解説します。
引き違い窓
引き違い窓とは、2枚以上のガラス戸を左右にスライドさせて開閉する、最も一般的なタイプの窓です。日本の住宅で広く採用されています。
- メリット
- 開閉スペースが不要
窓が前後に飛び出さないため、カーテンや家具の配置がしやすく、狭いベランダでも邪魔になりません。 - 開ける幅を調整しやすい
少しだけ開けて換気したり、全開にして大きな荷物を搬入したりと、状況に応じて開口部の大きさを自由に調整できます。 - サイズ展開が豊富
小さな窓から、リビングの主役になる大きな窓まで、サイズやデザインのバリエーションが豊富です。
- 開閉スペースが不要
- デメリット・注意点
- 気密性がやや低い
構造上、レール部分に隙間ができやすく、すべり出し窓などに比べると気密性や断熱性が若干劣る傾向があります。 - 中央の框(かまち)が視界を遮る
窓の中央にフレームが来るため、景色を楽しみたい場所では視界の妨げになることがあります。
- 気密性がやや低い
- おすすめの設置場所
- リビング、ダイニング、和室、寝室など、あらゆる部屋
すべり出し窓(縦・横)
すべり出し窓とは、窓枠の溝(レール)に沿って、室外側へすべり出すように開く窓のことです。回転する軸が「縦」か「横」かで、縦すべり出し窓と横すべり出し窓に分かれます。
縦すべり出し窓
窓の上下にあるレールに沿って、縦方向を軸に外側へ開きます。開いた窓が風を受ける帆のようになり、効率的に室内に風を取り込めるのが最大の特徴です。
横すべり出し窓
窓の左右にあるレールに沿って、上部を軸に外側へ開きます。開けたときに上部が庇(ひさし)の役割を果たし、小雨程度なら雨が吹き込みにくいメリットがあります。
- メリット
- 気密性・断熱性が高い
閉めるときにハンドル操作でサッシを枠に圧着させるため、隙間ができにくく、引き違い窓より高い気密性・断熱性を発揮します。 - 効率的な換気ができる(特に縦すべり出し)
縦すべり出し窓は、外壁に沿って流れる風を室内に取り込む「ウィンドキャッチ効果」が期待できます。 - デザイン性が高い
ハンドル操作で開閉するスタイリッシュな見た目が人気で、デザインのアクセントになります。
- 気密性・断熱性が高い
- デメリット・注意点
- 窓の外側に開閉スペースが必要
外側に窓が開くため、隣家との距離が近い場所や通路に面した場所では、通行の邪魔になったり人に当たったりする危険性があります。 - 網戸が室内側につく
窓を開閉する際は、一度網戸を開ける必要があります。虫が入りやすいと感じる場合もあります。
- 窓の外側に開閉スペースが必要
- おすすめの設置場所
- キッチン、洗面所、トイレ、廊下、階段など
突き出し窓
突き出し窓とは、窓の上部を軸にして、下側が外に突き出すように開く窓です。横すべり出し窓と似ていますが、回転軸が窓枠に固定されている点が異なります。
- メリット
- 雨が降っていても換気しやすい
横すべり出し窓と同様に、開けた窓が庇代わりになり、雨が室内に入り込むのを防ぎます。 - プライバシーを守りやすい
全開にしても視線が入りにくく、防犯面でも侵入しづらい形状です。
- 雨が降っていても換気しやすい
- デメリット・注意点
- 開口部が狭い
大きく開かないため、たくさんの風を取り込みたい場所には不向きです。 - 外側の掃除がしにくい
手が届きにくく、2階以上の高い場所に設置すると外側を掃除するのが困難です。
- 開口部が狭い
- おすすめの設置場所
- 浴室、洗面所、トイレなど、プライバシーを確保しつつ換気したい場所
上げ下げ窓
上げ下げ窓とは、2枚のガラス戸を上下にスライドさせて開閉する窓です。欧米の住宅でよく見られるデザインで、輸入住宅や洋風のデザインで人気があります。
- メリット
- デザイン性が高い
上下に分かれた窓枠が、おしゃれでクラシックな雰囲気を演出します。 - 省スペースで設置できる
左右に開閉スペースが不要なため、壁の幅が狭い場所にも設置できます。 - 防犯性に優れる
上下ともにロックできるタイプが多く、外部からの侵入が難しい構造です。
- デザイン性が高い
- デメリット・注意点
- 掃除に手間がかかる場合がある
古いタイプは上窓の外側が拭きにくいですが、最近は室内側に回転して掃除できる製品もあります。 - 価格が比較的高め
引き違い窓に比べると、コストが高くなる傾向があります。
- 掃除に手間がかかる場合がある
- おすすめの設置場所
- 子供部屋、書斎、寝室など、デザイン性を重視したい洋室
FIX窓(はめ殺し窓)
FIX窓(はめ殺し窓)とは、窓枠にガラスが固定されており、開閉することができない窓のことです。「FIX」は「固定する」という意味です。
- メリット
- 採光と眺望に特化
開閉機構がないためフレームを細くでき、スッキリとした見た目で光を多く取り入れ、景色を絵画のように切り取れます。 - 気密性・断熱性・防犯性が高い
隙間がないため、窓の中で最も気密性・断熱性に優れています。また、開かないため侵入される心配もありません。 - 形状の自由度が高い
丸窓や三角窓など、さまざまな形やサイズに対応でき、デザインの幅が広がります。
- 採光と眺望に特化
- デメリット・注意点
- 換気ができない
開閉できないため、風を取り入れたい場所には不向きです. - 掃除がしにくい
吹き抜けなどの高所や、手が届かない場所に設置すると、外側の掃除が業者頼みになる場合があります。
- 換気ができない
- おすすめの設置場所
- 吹き抜け、階段の踊り場、廊下、デザインのアクセントとして
倒し窓(内倒し・外倒し)
倒し窓とは、窓の下部を軸にして、室内側(内倒し)または室外側(外倒し)に倒して開く窓です。開く角度が制限されていることが多く、主に換気用として使われます。
- メリット
- プライバシーと防犯性を両立
開口部が狭く、外からの視線を遮りながら換気ができます。防犯面でも安心感があります。 - 省スペースで換気できる
特に内倒し窓は、窓の外にスペースがなくても設置できます。
- プライバシーと防犯性を両立
- デメリット・注意点
- 大きな通風量は期待できない
換気はできますが、風を大きく取り込むのには向いていません。 - 内倒し窓はカーテンがつけにくい
室内側に開くため、カーテンやブラインドの設置に工夫が必要です。
- 大きな通風量は期待できない
- おすすめの設置場所
- トイレ、洗面所、地下室など、限られたスペースでの換気
片開き窓・両開き窓
片開き窓とは、ドアのように片側を軸にして開閉する窓です。両開き窓は、左右2枚の扉を観音開きに開けるタイプで、「フレンチウィンドウ」とも呼ばれます。
- メリット
- 開放感が得られる
全開にすると開口部が広くなり、FIX窓のように視界を遮る中央のフレームがありません。 - デザイン性が高い
ヨーロッパの住宅のような、 elegantな雰囲気を演出できます。
- 開放感が得られる
- デメリット・注意点
- 開閉スペースが必要
室内側または室外側に大きく開くため、十分なスペースの確保が必要です。 - 風に煽られやすい
強風時に開けていると、風圧で急に閉まったり、煽られて破損したりする危険性があります。
- 開閉スペースが必要
- おすすめの設置場所
- リビングやダイニングからテラスや庭へ出る場所
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
形状・デザイン別の窓の種類
次に、窓の「形」や「設置場所」に注目して、その種類と特徴を見ていきましょう。
掃き出し窓

掃き出し窓とは、床面まで高さがある大きな窓のことです。昔、ほうきでゴミを外に掃き出していたことからこの名前がつきました。人が出入りできるのが特徴です。
- メリット
- 採光性が高く部屋が明るくなる
窓の面積が大きいため、たくさんの光を取り込めます。 - 開放感が生まれる
庭やベランダとの一体感が生まれ、部屋が広く感じられます。 - 庭やベランダへの出入りがしやすい
洗濯物を干したり、ガーデニングを楽しんだりするのに便利です。
- 採光性が高く部屋が明るくなる
- デメリット・注意点
- 断熱性が低下しやすい
窓は壁に比べて熱が出入りしやすいため、大きな窓は夏は暑く、冬は寒くなる原因になりがちです。高性能なガラスやサッシを選ぶことが重要です。 - 防犯面の対策が必要
人が出入りできる大きさなので、シャッターや防犯ガラス、補助錠などの対策が推奨されます。
- 断熱性が低下しやすい
- おすすめの設置場所
- リビング、ダイニング
腰高窓

腰高窓とは、大人の腰くらいの高さ(床から約80〜110cm)に設置される窓のことです。住宅で最も一般的に使われる窓の一つです。
- メリット
- 家具のレイアウトがしやすい
窓の下にソファやテレビボード、収納棚などを置くことができるため、部屋を有効活用できます。 - プライバシーを確保しやすい
掃き出し窓に比べて外からの視線が気になりにくく、防犯面でも安心感があります。
- 家具のレイアウトがしやすい
- デメリット・注意点
- 開放感は掃き出し窓に劣る
採光や眺望の面では、掃き出し窓ほどの開放感は得られません。
- 開放感は掃き出し窓に劣る
- おすすめの設置場所
- 寝室、子供部屋、書斎など、壁際に家具を置きたい部屋
高窓(ハイサイドライト)

高窓(ハイサイドライト)とは、天井に近い壁の高い位置に設置される窓のことです。
- メリット
- 効率的に部屋を明るくできる
高い位置から光を取り込むため、部屋の奥まで明るく照らすことができます。 - プライバシーを確保できる
外からの視線を気にすることなく、光を取り入れられます。隣家が近い場合にも有効です。 - 家具の配置が自由になる
壁面が広く使えるため、家具のレイアウトの自由度が高まります。
- 効率的に部屋を明るくできる
- デメリット・注意点
- 掃除や開閉がしにくい
手が届かないため、掃除が大変です。開閉タイプにする場合は、チェーンや電動式など操作方法を工夫する必要があります。
- 掃除や開閉がしにくい
- おすすめの設置場所
- リビング、廊下、北側の部屋、隣家と接する壁面
地窓(ローサイドライト)

地窓(ローサイドライト)とは、床に近い低い位置に設置される窓のことです。和室などで見かけることが多く、空間に落ち着きと広がりを与えます。
- メリット
- 柔らかな光を取り込める
床に反射した安定した光が入り、空間に趣を与えます。 - 空間に広がりを感じさせる
低い位置に視線が抜けることで、部屋が広く感じられます。 - 通風にも役立つ
高窓と組み合わせることで、温度差による効率的な換気(重力換気)が期待できます。
- 柔らかな光を取り込める
- デメリット・注意点
- 防犯面の配慮が必要
地面に近いため、面格子をつけたり、人が入れないサイズにしたりするなどの工夫が求められます。
- 防犯面の配慮が必要
- おすすめの設置場所
- 和室、寝室、廊下、玄関
スリット窓(細長い窓)

スリット窓とは、縦長または横長にデザインされた細長い窓のことです。FIX窓やすべり出し窓として使われることが多く、デザインのアクセントとして人気があります。
- メリット
- デザイン性が高い
モダンでシャープな印象を与え、外観や内装のアクセントになります。複数並べてリズミカルに見せることもできます。 - プライバシーを守りながら採光できる
細長い形状のため、外からの視線を遮りつつ、効果的に光を取り込めます。
- デザイン性が高い
- デメリット・注意点
- 採光量や通風量は限定的
窓の面積が小さいため、メインの採光や通風には不向きです。他の窓と組み合わせるのが基本です.
- 採光量や通風量は限定的
- おすすめの設置場所
- 玄関、階段、廊下、吹き抜け、外観のデザインアクセント
出窓
出窓とは、建物の壁から外側に突き出して設けられた窓のことです。カウンター部分を飾り棚として利用できます。
- メリット
- 部屋が広く感じられる
物理的に床面積が増え、視覚的にも奥行きが生まれるため、空間に広がりを感じさせます。 - 採光性が高い
複数の方向から光を取り入れることができるため、部屋が明るくなります。
- 部屋が広く感じられる
- デメリット・注意点
- 断熱性が低く結露しやすい
外気に接する面が多いため、断熱対策をしないと夏は暑く、冬は寒くなり、結露も発生しやすくなります。 - 建築コストが高い
通常の窓に比べて設置費用が高くなります。
- 断熱性が低く結露しやすい
- おすすめの設置場所
- リビング、ダイニング、書斎
天窓(トップライト)
天窓(トップライト)とは、建物の屋根部分に設置される窓のことです。
- メリット
- 非常に効率的な採光
壁面の窓に比べて約3倍の採光効果があると言われており、暗くなりがちな部屋を明るくできます。
- 非常に効率的な採光
- デメリット・注意点
- 雨漏りのリスク
適切な施工がされないと、雨漏りの原因になる可能性があります。信頼できる業者に依頼することが重要です。 - 夏は暑くなりやすい
直射日光が入り込むため、遮熱性能の高いガラスを選んだり、ブラインドを設置したりする対策が必要です。 - 掃除が難しい
屋根の上にあるため、自分で掃除するのは困難です。
- 雨漏りのリスク
- おすすめの設置場所
- 北側の部屋、家の中心にある廊下や階段、吹き抜け
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
目的別の後悔しない窓の選び方
たくさんの種類を見てきましたが、ここでは「何を優先したいか」という目的別に、おすすめの窓の選び方を紹介します。
採光・明るさで選ぶ
部屋を明るくしたいなら、大きな窓や高い位置の窓が基本です。
- 掃き出し窓、FIX窓: 面積が大きく、たくさんの光を取り込めます。
- 高窓(ハイサイドライト)、天窓: 部屋の奥まで光を届け、空間全体を明るくします。特に北側の部屋や住宅密集地で有効です。
通風・換気で選ぶ
気持ちの良い風が通る家にしたいなら、風の入口と出口を作ることが重要です。
- 縦すべり出し窓: ウィンドキャッチ効果で効率的に風を取り込めます。
- 上げ下げ窓: 上下の窓を少しずつ開けることで、暖かい空気を上から逃し、涼しい空気を下から取り込む換気が可能です。
- 高窓と地窓の組み合わせ: 温度差を利用した重力換気で、自然な空気の流れを生み出します。
断熱性・省エネで選ぶ
夏涼しく冬暖かい、快適でエコな家を目指すなら、窓の気密性が鍵になります。
- すべり出し窓、FIX窓: ハンドルで圧着させる構造やすき間のない構造のため、気密性に優れています。
- 引き違い窓は避けるべき?
最近の引き違い窓は性能が向上していますが、構造上すべり出し窓などには劣る傾向があります。断熱性を最優先するなら、他のタイプを検討する価値はあります。 - サッシやガラスの性能も重要
窓の断熱性は、フレームである「サッシ」や「ガラス」の種類に大きく左右されます。詳しくは後述します。
防犯性で選ぶ
空き巣の侵入経路で最も多いのは窓です。防犯性を高める工夫も大切です。
- FIX窓、スリット窓: 人が通れないサイズにしたり、開かない窓を選んだりするのが最も効果的です。
- 面格子付きの窓: 浴室やトイレ、キッチンの小窓などにおすすめです。
- 防犯ガラスや補助錠: 掃き出し窓など大きな窓には、ガラスを割れにくくしたり、ロックを強化したりする対策を組み合わせましょう。
デザイン・開放感で選ぶ
おしゃれな外観や、景色を楽しめる空間にしたい場合は、窓の形や配置がポイントです。
- FIX窓: 景色を切り取る絵画のような役割を果たします。
- スリット窓: 複数並べて配置することで、モダンでリズミカルな外観を演出できます。
- 上げ下げ窓: 洋風のかわいらしい雰囲気にぴったりです。
掃除のしやすさで選ぶ
「窓掃除が大変…」という後悔を避けるためには、掃除のしやすさも考慮しましょう。
- 引き違い窓: レールから外せるタイプが多く、比較的掃除しやすいです。
- 回転するタイプの窓: すべり出し窓や上げ下げ窓の中には、室内側に回転して外側を拭ける製品があります。
- FIX窓: 吹き抜けなどの高所は、プロに依頼することも想定しておきましょう。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
場所別のおすすめの窓の種類
部屋の役割によって、窓に求められる機能は異なります。ここでは場所ごとに最適な窓の組み合わせ例を紹介します。
リビング・ダイニング

家族が集まる中心的な空間。明るさと開放感を最優先しましょう。
- 掃き出し窓: 庭やバルコニーにつながる場所に設置し、内外の一体感を演出。
- 高窓(ハイサイドライト): テレビの上など、壁面を使いつつ部屋の奥まで光を届けます。
- FIX窓+すべり出し窓: 大きなFIX窓で景色を取り入れ、隣に換気用のすべり出し窓を組み合わせるのも人気です。
キッチン

明るさと換気、そして衛生面が重要です。
- 横すべり出し窓: シンクの前などにおすすめ。手元を明るくし、雨の日でも換気しやすいです。
- 縦すべり出し窓: コンロの近くで、効率的に熱や煙を排出したい場合に有効です。
- 勝手口ドアのスリット採光: ドア自体に採光機能があると、キッチン全体が明るくなります。
寝室・子供部屋

プライバシーと、家具の配置しやすさを考慮しましょう。
- 腰高窓: ベッドや机を窓の下に置けるため、レイアウトの自由度が高まります。
- 上げ下げ窓: デザイン性を高めたい洋室にぴったりです。
- 遮光や断熱も重要: 朝日で眩しすぎないよう、遮光カーテンや断熱性の高い窓を選ぶと快適な睡眠につながります。
浴室・洗面所・トイレ
プライバシーの確保と湿気対策(換気)が最重要課題です。
- 内倒し窓、突き出し窓、横すべり出し窓: いずれも外からの視線を遮りながら換気できるため、水回りに最適です。
- 型板ガラス: 透明ではなく、表面が凸凹したガラスを選ぶことで、シルエットが見えにくくなります。
廊下・階段・玄関
暗くなりがちな場所には、採光を目的とした窓を効果的に配置します。
- FIX窓、スリット窓: 安全確保のために足元を照らしたり、空間を広く見せたりする効果があります。
- 高窓: 階段の踊り場などに設置すると、上から光が降り注ぐ明るい空間になります。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
窓選びの注意点とよくある質問
最後に、窓選びで迷いがちなポイントや、知っておきたい関連知識をQ&A形式でまとめました。
すべり出し窓と突き出し窓の違いは?
一番の違いは「回転軸」の位置です。
- すべり出し窓: 窓枠のレールに沿ってスライドしながら開く。縦すべり出しは風を取り込みやすく、横すべり出しは雨が入りにくい。
- 突き出し窓: 窓枠の上部に固定された軸を中心に、外へ突き出すように開く。雨が入りにくいのが特徴。
どちらも気密性が高い点は共通していますが、風通しを重視するなら「縦すべり出し窓」、雨天時の換気を重視するなら「横すべり出し窓」や「突き出し窓」がおすすめです。
サッシ・窓枠の種類と選び方
窓の性能はガラスだけでなく、サッシ(窓枠)によっても大きく変わります。主な種類は以下の3つです。
- アルミサッシ
安価で耐久性が高いですが、熱を伝えやすいため断熱性は低いです。 - 樹脂サッシ
熱を伝えにくく、断熱性・気密性に最も優れています。結露にも強いですが、価格は高めです。 - アルミ樹脂複合サッシ
室外側がアルミ、室内側が樹脂でできています。性能とコストのバランスが良いのが特徴です。
省エネや快適性を重視するなら、樹脂サッシかアルミ樹脂複合サッシを選ぶのが現在の主流です。
ガラスの種類(複層・Low-E)
現在、新築住宅では2枚のガラスを組み合わせた複層ガラス(ペアガラス)が標準です。さらに性能を高めるために、以下のガラスも検討しましょう。
- Low-E(ローイー)複層ガラス
ガラスの表面に特殊な金属膜をコーティングしたものです。夏の強い日差し(熱)を反射し、冬は室内の暖かさを外に逃がさない効果があり、高い断熱・遮熱性能を発揮します。 - トリプルガラス
3枚のガラスを組み合わせたもの。複層ガラスよりもさらに高い断熱性能を誇ります。
窓の種類に合わせたカーテン選びは?
窓の種類によっては、カーテン選びに注意が必要です。
- すべり出し窓・内倒し窓: 窓が室内側に開いたり、網戸が室内側にあったりするため、一般的なカーテンレールだと干渉してしまいます。ロールスクリーンやブラインド、カフェカーテンなどがおすすめです。
- 高窓・天窓: 手が届かないため、電動式のロールスクリーンやブラインドを検討すると便利です。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
まとめ
今回は、新築の家づくりで後悔しないための窓の種類と選び方について、網羅的に解説しました。
最後に、窓選びで最も大切なポイントをまとめます。
- 窓は「開閉方法」と「形状」の組み合わせで考える
- 「採光」「通風」「断熱」「防犯」「デザイン」など、何を優先したいか目的を明確にする
- リビング、寝室、水回りなど、場所ごとに最適な窓は違う
- 窓本体だけでなく、サッシやガラスの性能にも注目する
たくさんの種類があって迷ってしまう窓選びですが、それぞれの特徴を理解し、ご自身のライフスタイルや「こんな暮らしがしたい」というイメージと照らし合わせることで、最適な答えが見つかるはずです。
この記事で得た知識をもとに、ぜひハウスメーカーや工務店の担当者の方と具体的なプランを相談してみてください。あなたの家づくりが、素晴らしいものになることを心から応援しています。
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