「リビングにおしゃれな和の空間が欲しい」「子供の遊び場や収納スペースを増やしたい」そんな願いを叶えてくれるのが、小上がり和室です。リビングの一角に設けるだけで、空間をおしゃれに演出し、暮らしを豊かにしてくれます。
しかし、その一方で「設置してみたら部屋が狭く感じた」「段差が意外と不便だった」といった後悔の声も少なくありません。
そこでこの記事では、小上がり和室の設置を検討しているあなたが後悔しないために、知っておくべき全ての情報をまとめました。メリット・デメリットの徹底比較から、おしゃれな実例、賢い収納術、設置方法別の費用まで、プロの視点で分かりやすく解説します。
この記事を読めば、あなたの理想の暮らしにぴったりの、後悔しない小上がり和室の作り方がきっと見つかるはずです。
この記事の目次
小上がり和室とは?基本と活用法
まずは、小上がり和室がどのようなもので、どんな風に使えるのか、基本的な知識から見ていきましょう。
小上がり和室の定義と畳コーナーとの違い

小上がり和室とは、リビングやダイニングなどのフローリングの床から一段高くして作られた、畳敷きのスペースのことです。単に畳を敷くだけの「畳コーナー」とは異なり、段差があるのが最大の特徴です。
この段差を活かして下に収納を設けたり、腰掛ける場所として使ったりできるため、デザイン性だけでなく機能性も高いのが魅力です。リビングの一角にありながら、独立した一つの「部屋」のような役割を果たします。
子供の遊び場やテレワークスペース

小上がり和室は、家族のライフスタイルに合わせて多目的に使える便利な空間です。
- 子供の遊び場として
リビングから目が届く場所で、お子様を安心して遊ばせることができます。畳はクッション性が高いため、転んでもケガをしにくく安全です。また、おもちゃがリビング全体に散らかるのを防ぐ効果もあります。 - テレワークスペースとして
リビングの喧騒から少し離れ、仕事に集中したい時の書斎やテレワークスペースとしても最適です。掘りごたつ式にすれば、椅子に座るように楽な姿勢で作業ができます。
来客用の寝室や家族の団らんの場
小上がり和室は、日常の様々なシーンで活躍します。
- 来客用の寝室として
普段は家族のくつろぎの場として使い、来客時には布団を敷いて寝室として活用できます。スクリーンやカーテンで仕切れば、プライベートな空間を確保することも可能です。 - 家族の団らん・家事スペースとして
ごろんと横になってくつろいだり、洗濯物をたたんだり、アイロンがけをしたりと、気軽に使える家事スペースとしても重宝します。家族が自然と集まる、居心地の良い団らんの場になるでしょう。
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後悔しないためのメリット・デメリット
小上がり和室を設置してから「こんなはずではなかった」と後悔しないために、メリットとデメリットの両方をしっかりと理解しておくことが大切です。
メリット1:大容量の収納スペース確保
小上がり和室の最大のメリットは、デッドスペースになりがちな床下を大容量の収納として活用できることです。
季節ものの家電(扇風機やヒーター)、来客用の布団、スーツケース、子供のおもちゃなど、普段使わないけれど場所を取るものをまとめて収納できます。リビングがすっきりと片付き、収納不足の悩みを解決してくれるでしょう。
メリット2:空間にメリハリが生まれる
段差があることで、平坦な空間に立体感が生まれ、部屋全体にメリハリと奥行きが生まれます。
リビングと和の空間が自然にゾーニング(区切られる)されるため、単調になりがちなLDKのアクセントになります。腰掛けられる高さにすれば、自然と人が集まるコミュニケーションの場にもなります。
デメリット1:圧迫感と掃除の手間
後悔するポイントとしてよく挙げられるのが、圧迫感と掃除の問題です。
- 圧迫感
小上がりを設ける分、天井が低く感じられ、部屋が狭く見えることがあります。特に天井高が低い住宅の場合は、慎重な検討が必要です。 - 掃除の手間
段差の角や畳の目にホコリが溜まりやすく、掃除に手間がかかります。また、ロボット掃除機が段差を乗り越えられないため、掃除のしにくさが後悔につながりやすいポイントです。
デメリット2:段差の危険性と昇降の手間
小さなお子様やご高齢の家族がいるご家庭では、段差での転倒リスクを十分に考慮する必要があります。夜中にトイレに行く際など、暗い中での移動は特に注意が必要です。
また、毎日何度も上り下りすることが、だんだんと面倒に感じてしまうケースもあります。リビングの中心など、頻繁に行き来する動線上への設置は避けた方が良いかもしれません。
デメリット3:設置コストと撤去の難しさ
造作で小上がり和室を作る場合、設置には数十万円単位のコストがかかります。
また、一度作ってしまうと簡単に移動したり撤去したりすることができません。子供の独立や介護など、将来のライフスタイルの変化も見据えて、本当に必要かどうかを慎重に判断することが重要です。
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おしゃれな小上がり和室の実例集
ここでは、リビングのインテリアに調和する、おしゃれでモダンな小上がり和室の実例やアイデアをご紹介します。
リビングに馴染むモダンなデザイン

リビングとの一体感を意識することが、おしゃれに見せる最大のコツです。
フローリングや建具の色と、小上がりの木材や畳の色味を合わせることで、統一感が生まれます。壁紙や天井のクロスをリビングと揃えるのも効果的です。あえて畳の色をアクセントカラーにして、モダンな空間を演出するのも素敵です。
3畳・4.5畳など広さ別の間取り
小上がり和室は、広さによって使い勝手が変わります。
- 3畳
書斎やキッズスペース、ちょっとした家事コーナーなど、多目的に使えるコンパクトな広さです。リビングの一角に設けても圧迫感が少なく、空間のアクセントとして取り入れやすいのが魅力です。 - 4.5畳
家族でくつろいだり、来客用の寝室として使ったりするのに十分な広さです。テーブルを置いて食事をしたり、布団を2組敷いたりすることも可能で、より「部屋」としての独立性が高まります。
間接照明や格子で仕切るアイデア

空間をより上質でおしゃれに見せるには、照明や仕切り方を工夫するのがおすすめです。
- 間接照明
小上がりの足元や天井に間接照明を仕込むと、空間に奥行きと浮遊感が生まれ、ホテルライクな洗練された雰囲気を演出できます。 - 格子やロールスクリーン
視線を緩やかに遮りつつ、圧迫感を抑えて空間を仕切ることができるのが格子戸やロールスクリーンです。完全に壁で仕切るよりも、リビングとのつながりを保ちながらプライベート感を確保できます。
洋風インテリアに合う畳の色と素材

「和室は欲しいけれど、洋風のリビングに合うか心配…」という方もご安心ください。最近はモダンなインテリアに合う畳がたくさんあります。
- カラー畳
従来の緑色だけでなく、グレー、ベージュ、ブラウン、ブラックなど、フローリングや家具に合わせやすい豊富なカラーバリエーションがあります。 - 和紙畳・樹脂畳
い草ではなく、和紙や樹脂を素材にした畳です。日焼けによる色褪せが少なく、ダニやカビが発生しにくいのが特徴。撥水性が高く、飲み物をこぼしてもサッと拭き取れるため、小さなお子様がいるご家庭にもおすすめです。
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小上がりの収納タイプと選び方
小上がり和室の大きな魅力である「収納」。ここでは代表的な収納タイプの特徴と選び方を解説します。
大容量が魅力の「跳ね上げ式収納」
畳の天板部分がフタのように大きく開くタイプで、収納力は最大です。
スーツケースやゴルフバッグ、季節家電、来客用布団など、大きくてかさばるものの収納に最適です。床下全体を一つの大きな収納庫として使えるため、収納スペースを最優先したい方におすすめです。ただし、上にテーブルなどを置いていると、開閉のたびに移動させる手間がかかります。
出し入れ簡単な「引き出し式収納」
小上がりの側面が引き出しになっているタイプで、日常的に使うものの収納に便利です。
座ったままでも楽に出し入れできるため、子供のおもちゃやDVD、日用品、書類などの収納に向いています。ただし、引き出しを引き出すためのスペースが小上がりの前に必要になる点と、跳ね上げ式に比べて一つ一つの収納スペースが小さくなる点には注意が必要です。
コストを抑える市販の収納ボックス活用法
「大掛かりな工事はしたくないけれど、収納付きの小上がりが欲しい」という方には、市販のユニット製品を活用する方法があります。
畳の下が収納ボックスになっている市販の「畳ユニット」や「収納ベンチ」を組み合わせることで、工事不要で手軽に収納付きの小上がりスペースを作れます。コストを抑えられ、後からレイアウト変更や撤去ができるのも大きなメリットです。
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設置方法別の費用相場と特徴比較
小上がり和室を設置するには、主に「造作」「市販ユニット」「DIY」の3つの方法があります。それぞれの費用や特徴を比較してみましょう。
| 設置方法 | 費用相場 | 特徴 |
|---|---|---|
| 造作(リフォーム・新築) | 20万円~80万円 | ・部屋の形に合わせて自由に設計可能 ・デザインの自由度が高く、一体感のある仕上がりに ・コストと工期がかかる ・一度作ると撤去が困難 |
| 後付けできる市販の畳ユニット | 5万円~30万円 | ・工事不要で「置くだけ」で設置できる ・賃貸でも導入可能 ・後から移動や撤去ができる ・デザインやサイズの自由度は低い |
| DIY | 3万円~15万円(材料費) | ・最もコストを抑えられる ・設計や施工の知識・技術が必要 ・強度や安全性の確保が最重要課題 ・時間と手間がかかる |
造作(リフォーム・新築)
大工さんや工務店に依頼して、部屋のサイズに合わせてオーダーメイドで作る方法です。
費用相場は広さや仕様によりますが、3畳程度で20万円~50万円、4.5畳以上になると50万円~80万円程度が目安です。空間にぴったりと収まり、最も美しく仕上がりますが、コストと時間がかかります。
後付けできる市販の畳ユニット
通販などで購入できる、箱型のユニットを組み合わせて設置する方法です。
費用相場は5万円~30万円程度と、造作に比べて手頃です。工事が不要で、届いたその日から使える手軽さが魅力。賃貸住宅にお住まいの方や、将来的に移動・撤去する可能性がある方におすすめです。
DIYで設置する場合の費用と注意点
自分で材料を調達し、設計・施工する方法です。
費用は材料費のみで3万円~15万円程度に抑えられますが、かなりの知識と技術、時間が必要です。特に、人が乗る場所なので強度と安全性の確保は絶対条件です。設計ミスや施工不良は、大きな事故につながる危険があるため、自信のない方はプロに任せるのが賢明です。
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失敗しないプランニングのポイント
理想の小上がり和室を実現するために、計画段階で押さえておきたい重要なポイントを解説します。
最適な高さの決め方と40cmの是非
小上がりの高さは、使い勝手と空間の印象を大きく左右する重要な要素です。一般的には30cm~40cmで設定されることが多く、それぞれに特徴があります。
- 高さ30cm前後
楽に腰掛けやすく、小さなお子様でも上り下りしやすい高さです。圧迫感も比較的少ないため、空間を広く見せたい場合におすすめです。 - 高さ40cm前後
ダイニングチェアとほぼ同じ高さで、椅子として非常に使いやすいのが特徴。収納容量も最大限に確保できます。一方で、天井が低く感じられたり、昇降が負担になったりすることも。「40cmで後悔」という声は、この圧迫感や昇降の手間が原因であることが多いです。
「腰掛けて使うことを重視するのか」「収納量を最優先するのか」など、主な使い方に合わせて高さを決めることが後悔しないコツです。
リビングとの調和で考える広さと配置
小上がり和室を設置する際は、リビング全体のバランスを考えることが大切です。
- 配置
家族の生活動線を妨げない場所に配置するのが鉄則です。リビングのドアや収納の開閉、ベランダへの出入りを邪魔しないか、事前にしっかり確認しましょう。 - 広さ
広すぎるとリビングを圧迫し、狭すぎると使い道が限られてしまいます。一般的に、リビング全体の面積に対して1/4~1/3程度に収めると、バランスが良いとされています。
コンセントや照明計画の重要性
見落としがちですが、快適性を大きく左右するのが設備計画です。
小上がりを設置する前に、コンセントや照明の計画を必ず立てておきましょう。スマホの充電、PC作業、掃除機の使用、冬にはこたつなど、コンセントは様々な場面で必要になります。後から追加するのは大変なので、必要な場所と数をあらかじめ決めておくことが重要です。
メンテナンスしやすい畳の選び方
長くきれいに使うためには、畳の素材選びも大切です。
- い草畳
自然な香りや調湿効果が魅力ですが、日焼けしやすく、ささくれも起きやすいデリケートな素材です。 - 和紙畳・樹脂畳
耐久性が高く、撥水性があるため飲み物をこぼしても掃除が簡単です。カビやダニも発生しにくく、カラーバリエーションも豊富なため、特に小さなお子様やペットがいるご家庭、メンテナンスの手間を減らしたい方におすすめです。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
まとめ
小上がり和室は、収納力を高め、空間をおしゃれに演出し、家族の暮らしに新たな彩りを加えてくれる魅力的なスペースです。
その一方で、圧迫感や段差のリスク、コストといったデメリットも存在します。後悔しないためには、これらのメリット・デメリットを正しく理解した上で、ご自身のライフスタイルや家族構成、部屋全体のバランスを十分に考慮して計画することが何よりも大切です。
この記事でご紹介した実例やプランニングのポイントを参考に、ぜひあなただけの理想の小上がり和室を実現してください。
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