「注文住宅を建てるなら、おしゃれで使いやすいキッチンにしたい!」
「今のマンションのキッチン、収納が足りなくてごちゃごちゃ…」
マイホームを考えるとき、多くの人がキッチンの収納に悩みます。そんな悩みを解決する選択肢として注目されているのが「パントリー」です。
この記事では、住宅情報誌やSNSで見かけるけれど詳しくは知らない、という方のために「パントリーとは何か」を基礎から徹底解説します。パントリーの種類やメリット・デメリット、便利な収納アイデア、そして家づくりで後悔しないための間取りのポイントまで、専門家の視点で分かりやすくお伝えします。
この記事を読めば、あなたのライフスタイルに本当にパントリーが必要かどうかが分かり、理想のキッチンを実現するための具体的なヒントが得られるはずです。
この記事の目次
パントリーとは?キッチンの食品貯蔵庫
最近よく耳にする「パントリー」ですが、具体的にどのようなものかご存知でしょうか?まずは、パントリーの基本的な意味や役割について見ていきましょう。
パントリーの基本的な意味と定義
パントリーとは、キッチンの中やその近くに設けられる、食料品や飲料、日用品などを保管しておくための収納スペースや小部屋のことです。もともとはホテルの厨房などで食器や配膳の準備をする小部屋を指す言葉でしたが、現代の日本の住宅では「食品庫」としての意味合いで広く使われています。
キッチンに収納しきれないものをまとめて保管できるため、キッチン周りをすっきりと片付け、常に整理された状態を保つのに役立ちます。
キッチンにおけるパントリーの役割
パントリーは単なる収納スペース以上の、さまざまな役割を果たしてくれます。
- キッチンの整理整頓
キッチンカウンターや調理台の上に出しっぱなしになりがちな調味料や食品をパントリーに収納することで、調理スペースを広く確保できます。 - ストック管理の効率化
どこに何があるか一目で把握できるため、在庫管理がしやすくなります。同じものを重複して買ってしまうといった無駄遣いを防ぐ効果も期待できます。 - まとめ買いへの対応
特売日にまとめ買いした食品や、コストコなどで購入した大容量の商品も、パントリーがあれば置き場所に困りません。買い物の回数を減らし、家事の負担を軽減することにも繋がります。 - 災害時の備蓄庫として
水や缶詰、レトルト食品といった非常食をまとめて保管する「ローリングストック」の場所としても最適です。万が一の災害に備えるための備蓄庫として活用できます。
ダイニングや飲食店との違い
住宅におけるパントリーと、飲食店で使われる「パントリー」は少し意味が異なります。
飲食店のパントリーとは、一般的に厨房(キッチン)と客席(ホール)の間に位置し、出来上がった料理の盛り付けをしたり、ドリンクを用意したりする配膳準備室を指します。そのため、「パントリーでのバイト」といった場合は、このような配膳準備に関わる業務を指すことが多いです。
もちろん、食事をする場所であるダイニングルームとも役割は全く異なります。パントリーはあくまで「食品を貯蔵する場所」と覚えておきましょう。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
パントリーの主な種類と特徴
パントリーには、大きく分けて3つのタイプがあります。それぞれの特徴を知り、ご自宅の間取りやライフスタイルに合ったものを選びましょう。
ウォークインタイプ

ウォークインタイプとは、人が中に入って歩けるほどの広さを持つ、小部屋のようなパントリーです。
棚をL字型やコの字型に設置でき、圧倒的な収納力が最大の魅力です。収納するものが多いご家庭や、本格的にストック管理をしたい方におすすめ。ただし、設置には1畳〜2畳程度のまとまったスペースが必要になります。
ウォークスルータイプ

ウォークスルータイプとは、通り抜けができる動線上に設けられたパントリーです。
例えば、「キッチン⇔パントリー⇔洗面脱衣室」や「玄関⇔パントリー⇔キッチン」のように配置することで、家事動線が非常にスムーズになります。買い物から帰ってきてすぐに食品を収納したり、料理と洗濯を効率良くこなしたりしたい方に最適です。通路としての役割も兼ねるため、収納効率はウォークインタイプより少し劣る場合があります。
壁面収納(キャビネット)タイプ

壁面・キャビネットタイプは、キッチンの壁の一部や、背面カウンターの一部を利用したパントリーです。スペースが限られている場合や、リフォームでパントリーを設けたい場合に適しています。
ウォークインタイプのように広いスペースは必要なく、比較的省スペースで設置できるのがメリット。マンションのリフォームなど、限られた空間にパントリーを設けたい場合に適しています。奥行きは浅めになりますが、キッチンの背面や横の壁を有効活用できます。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
注文住宅のパントリー実例集
ここでは、注文住宅で実現できるパントリーの具体的な実例をいくつかご紹介します。ご自身の理想のイメージを膨らませてみてください。
1畳から2畳のコンパクトなパントリー

最も現実的で人気の高いサイズです。1畳でもコの字型に可動棚を設置すれば、想像以上の収納力を確保できます。壁の一面を有孔ボードにして、掃除道具などを吊るして収納するアイデアも人気です。
家事動線を考えたウォークスルー事例

「玄関→シューズクローク→パントリー→キッチン」と繋がる間取りは、まさに理想の家事ラク動線。買い物から帰ってきて、靴をしまい、コートを掛け、そのまま食料品をパントリーに収納するまでが一連の流れで完結します。
キッチン一体型の壁面パントリー

キッチンの背面に、床から天井までの大きな扉付き収納を設けるスタイルです。普段は扉を閉めておくことで、壁のようにすっきりと見せることができます。急な来客があっても、生活感のあるものを一瞬で隠せるのが最大の魅力です。
おしゃれなカフェ風の見せるパントリー

三角の下がり壁の奥に、お気に入りのタイルや壁紙を貼ったパントリーを設ける事例。オープン棚にこだわりの食器や調理器具、おしゃれな瓶詰めを並べれば、そこはもうキッチンの一部ではなく、インテリアとして楽しむ「見せる」空間になります。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
パントリーに収納するもの具体例
「パントリーには具体的に何を置くの?」という疑問にお答えします。何をどれくらい収納したいかをイメージすることが、パントリー計画の第一歩です。
食料品・飲料(米・水・缶詰)
パントリー収納のメインとなるのが、常温保存できる食料品や飲料です。
- お米、パスタ、乾麺
- 小麦粉、砂糖、塩などの調味料のストック
- 缶詰、瓶詰、レトルト食品
- 乾物(海苔、わかめ、昆布など)
- お菓子、シリアル
- ペットボトルの水、お茶、ジュース、お酒類
日用品・消耗品のストック
キッチンで使う消耗品はもちろん、家中の日用品のストック場所としても活用できます。
- キッチンペーパー、ティッシュペーパー
- ラップ、アルミホイル
- ゴミ袋
- スポンジ、ふきん
- 食器用洗剤、食洗機用洗剤のストック
調理器具・季節家電
毎日使うわけではないけれど、ないと困る調理器具や家電の収納にもぴったりです。
- ホットプレート、カセットコンロ
- ミキサー、フードプロセッサー
- 土鍋、すき焼き鍋
- かき氷機、餅つき機などの季節家電
- 来客用の食器セット
- お弁当箱、水筒
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パントリー収納アイデアと使い方
せっかくパントリーを設けても、中がごちゃごちゃでは使い勝手が悪くなってしまいます。ここでは、使いやすく美しいパントリーを維持するための収納アイデアをご紹介します。
無印良品・ニトリのボックス活用術
無印良品やニトリなどで手に入る収納ボックスは、パントリー整理の強い味方です。
- ファイルボックス
立てて収納したいもの(ラップ、トレー、水筒など)に最適です。見た目もすっきりし、取り出しやすくなります。 - 収納ケース・バスケット
同じ種類のボックスで統一すると、見た目に統一感が出て美しく見えます。半透明のタイプは中身がうっすら見えて管理しやすく、中身を隠したい場合は不透明なタイプを選ぶと良いでしょう。
100均アイテムを使った整理術
100円ショップのアイテムも、工夫次第で大活躍します。
- プラスチックカゴ
レトルト食品や調味料の小袋など、細かいものをカテゴリー別に分けるのに便利です。 - 突っ張り棒
棚の奥に設置して、ラップ類を立てかけたり、S字フックと組み合わせてスプレーボトルを引っ掛けたりと、デッドスペースを有効活用できます。 - ブックスタンド
お皿やトレーを立てて収納するのに役立ちます。
可動棚でデッドスペースをなくす

注文住宅やリフォームでパントリーを作るなら、棚は「可動棚」にすることを強くおすすめします。収納する物の高さに合わせて棚板の位置を自由に変えられるため、無駄なスペースが生まれにくく、収納効率が格段にアップします。
ラベリングで見やすくする工夫

収納ボックスを使ったら、必ずラベリングをしましょう。マスキングテープやラベルライターを使って「パスタ」「缶詰」「お菓子」のように中身を明記しておけば、家族の誰もが一目で何が入っているか分かり、物を探す手間が省けます。賞味期限を書いておくのも良いアイデアです。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
後悔しないパントリー間取りの作り方
「パントリーを作ったけど、使いにくくて物置になっている…」そんな後悔をしないために、設計段階で押さえておきたいポイントを解説します。
キッチンからの動線を考慮した配置

パントリーの使いやすさは、キッチンからの動線で決まります。料理中にサッと調味料を取りに行けるよう、キッチンのすぐ横や背面に配置するのが基本です。また、買い物から帰ってきたときのことを考え、玄関からキッチンへの動線上にウォークスルーパントリーを設けるのも非常に効率的です。
家族構成に合わせた適切な広さ
パントリーは広ければ良いというものではありません。広すぎるとかえって物が散らかり、ただの物置になってしまうことも。
一般的には1畳〜2畳が人気の広さですが、大切なのは家族の人数や買い物のスタイルに合わせることです。「何を、どれくらいの量ストックしたいか」を事前にリストアップし、必要なスペースを割り出しましょう。
換気扇や窓で湿気・カビ対策
食品を保管するパントリーにとって、湿気と熱気は大敵です。特に北側に配置する場合や、窓のないウォークインタイプの場合は湿気がこもりやすくなります。
カビや食品の劣化を防ぐため、小さな窓や換気扇を設置することを忘れないようにしましょう。空気の通り道を確保することが重要です。
家電用のコンセント設置の要否
意外と忘れがちですが、パントリー内にコンセントを設置しておくと非常に便利です。
例えば、以下のような使い方が考えられます。
- コードレス掃除機の充電ステーションにする
- 小型の冷凍庫(セカンド冷凍庫)を置く
- フードプロセッサーなど、一時的に使う家電を使用する
将来的な使い方の変化にも対応できるよう、最低でも1〜2箇所のコンセントを計画しておくことをおすすめします。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
パントリーのメリット・デメリット
最後に、パントリーを導入するメリットとデメリットをまとめます。ご自身のライフスタイルと照らし合わせ、本当に必要かどうかを判断する参考にしてください。
メリット:収納力向上と家事効率化
- キッチンがすっきり片付く
調理スペースが広々と使え、見た目も美しくなります。 - ストック管理が楽になる
在庫が一目で分かり、無駄な買い物を防げます。 - 家事の時短に繋がる
まとめ買いで買い物の回数が減り、動線が良ければ調理もスムーズになります。 - 災害時の備えになる
ローリングストック法で非常食を管理しやすくなります。
デメリット:設置スペースとコスト
- 設置スペースが必要になる
パントリーの分、LDKなどの居住スペースが狭くなる可能性があります。 - 建築コストが上がる
壁や扉、棚などを追加で造作するため、その分の費用がかかります。 - 動線計画が悪いと逆効果に
キッチンから遠いなど、設計を誤るとかえって不便な「使わない部屋」になります。 - 整理整頓の手間がかかる
定期的に中身を見直さないと、賞味期限切れの食品であふれる物置になってしまいます。
ライフスタイル別の必要性チェック
「結局、我が家にパントリーは必要?」と迷っている方は、以下の項目をチェックしてみてください。
こんな人にはパントリーがおすすめ!
- 週に1回など、まとめ買いをすることが多い
- コストコや業務スーパーをよく利用する
- 食べ盛りの子どもがいる、または家族の人数が多い
- 料理が好きで、調理器具やスパイスの種類が多い
- 防災意識が高く、食料品をしっかり備蓄しておきたい
- すっきりとしたインテリアが好きで、生活感を出したくない
こんな人には不要かも?
- スーパーが近く、必要なものをその都度買うことが多い
- ミニマリストで、あまり物をストックしない
- 家族の人数が少ない
- パントリーよりも、リビングや他の部屋の広さを優先したい
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
まとめ
今回は、パントリーの基本的な意味から、具体的な収納アイデア、後悔しないための間取りのポイントまでを詳しく解説しました。
パントリーとは、食品や日用品をストックしておくための便利な収納スペースです。キッチン周りをすっきりとさせ、家事効率を上げてくれる一方で、設置にはスペースとコストが必要になります。
大切なのは、ご自身のライフスタイルや価値観に合っているかどうかを見極めることです。
- どんな種類のパントリーがあるのか?
- 何をどれくらい収納したいのか?
- キッチンからの動線はスムーズか?
- 換気やコンセントの計画は万全か?
これらのポイントをしっかり押さえ、あなただけの理想のパントリーを計画し、快適なキッチン空間を実現しましょう。この記事が、あなたの家づくりの一助となれば幸いです。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
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