「毎日の家事、もっと楽にならないかな…」「注文住宅を建てるなら、絶対に家事がしやすい家にしたい!」
共働きや子育てで忙しい毎日を送る中で、このように考えている方は多いのではないでしょうか。洗濯、料理、掃除といった日々の家事は、少しでも効率的に、ストレスなくこなしたいものですよね。
その願いを叶える鍵となるのが、注文住宅の「家事動線」です。
家事動線を意識して間取りを計画するだけで、家事の時間は驚くほど短縮され、心にもゆとりが生まれます。空いた時間で家族とゆっくり過ごしたり、自分の趣味を楽しんだり…そんな理想の暮らしが手に入るかもしれません。
この記事では、注文住宅の家づくりで後悔しないために、家事動線を考え抜いた「家事が楽になる間取り」のアイデアを、成功実例や間取り図を交えながら徹底解説します。
これから家づくりを始める方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
家事動線とは?基本とメリットを解説
まずは、家事動線の基本的な考え方と、それを良くすることで得られるメリットについて理解を深めましょう。
家事動線の基本「回遊動線」と「集中動線」

家事動線とは、料理、洗濯、掃除などの家事をする際に、家の中を移動する経路(人の動きを示す線)のことです。この動線が短く、シンプルであるほど、家事の効率は格段にアップします。
家事動線を考える上で基本となるのが、以下の2つの考え方です。
- 回遊動線
行き止まりがなく、家の中をぐるぐると回れる動線のことです。例えば、「キッチン→パントリー→洗面所→リビング→キッチン」のように、複数の部屋を通り抜けられる間取りがこれにあたります。移動がスムーズになり、家族が同時に動いても混雑しにくいのが特徴です。 - 集中動線
キッチン、洗面所、浴室、ランドリールームといった、家事でよく使う場所(特に水回り)を1箇所に集約する考え方です。複数の家事を同時進行しやすく、移動距離を最小限に抑えることができます。
この2つをうまく組み合わせることが、家事のしやすい間取りを作るポイントです。
家事動線を良くする3つのメリット
家事動線を最適化すると、暮らしに多くのメリットが生まれます。
- メリット1:家事の時間が大幅に短縮される
最大のメリットは、家事の時短です。無駄な移動がなくなることで、一つひとつの作業がスムーズに進み、家事全体にかかる時間を短縮できます。 - メリット2:家事のストレスが軽減される
「重い洗濯物を持って階段を往復する」「狭いキッチンで家族とぶつかる」といった日々の小さなストレスがなくなります。作業がスムーズに進むことで、心にも余裕が生まれるでしょう。 - メリット3:家族で家事を分担しやすくなる
動線がシンプルで分かりやすいと、夫や子どもも家事を手伝いやすくなります。「どこに何があるか分からない」「どう動けばいいか分からない」という状況がなくなり、自然と家族が協力できる環境が整います。
家事動線が悪い間取りのデメリット
逆に、家事動線を考慮せずに間取りを決めると、新築なのに暮らしにくい家になってしまう可能性があります。
- 移動距離が長く、家事に時間がかかる
- 作業効率が悪く、常にイライラしてしまう
- 家族の動線とぶつかり、危険な場面が増える
- 収納場所が適切でなく、物が散らかりやすい
せっかくの注文住宅で後悔しないためにも、計画段階でしっかりと家事動線をシミュレーションすることが非常に重要です。
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家事動線が良い間取りの成功実例【間取り図あり】
ここでは、家事動線を工夫した間取りの成功実例を4つのパターンに分けてご紹介します。ご自身のライフスタイルに合うものを見つけてみてください。
洗濯が完結するランドリールーム中心の間取り

(※間取り図はイメージです)
「洗う→干す→畳む→しまう」という洗濯の一連の作業が1箇所で完結するのが、この間取りの最大の特徴です。
洗面所とは別に、脱衣所兼ランドリールームを設け、室内干し用のスペースと作業台を確保。さらに、その隣に家族全員の衣類を収納できるファミリークローゼットを配置しています。これにより、重い洗濯物を持って移動する必要がなくなり、天候にも左右されません。共働きで夜に洗濯することが多いご家庭に特におすすめです。
回遊動線で移動がスムーズな間取り

(※間取り図はイメージです)
キッチンを中心に、パントリー、洗面脱衣室、リビングをぐるっと回れる「回遊動線」を取り入れた間取りです。
例えば、帰宅後に玄関からパントリーへ直行して食材をしまい、そのままキッチンで料理の準備を始めることができます。また、料理をしながら洗面所で洗濯機を回すといった「ながら家事」もスムーズに行えます。行き止まりがないため、家族がキッチンと洗面所を同時に使っても混雑しません。
料理が楽なアイランドキッチンの間取り

(※間取り図はイメージです)
壁から独立したアイランドキッチンは、その両側を通路として使えるため、自然と回遊動線が生まれます。
夫婦で一緒に料理をしたり、子どもがお手伝いしたりする際にも、広々と作業スペースを確保できます。ダイニングテーブルへの配膳や食後の片付けも、最短距離で動けるのが魅力です。家族とのコミュニケーションを楽しみながら料理をしたい方にぴったりの間取りと言えるでしょう。
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【家事別】動線を最適化する間取りのコツ
家事動線を良くするためには、「洗濯」「料理」「掃除」という3大メイン家事の動きをそれぞれ最適化することが大切です。
洗濯動線「洗う・干す・畳む・しまう」を短く
洗濯は工程が多く、移動距離が長くなりがちな家事です。「洗濯機置場」「物干しスペース」「アイロン・たたむ場所」「収納場所」をできるだけ近づけることが、洗濯を楽にする最大のコツです。
- ランドリールームを設ける
洗濯に関するすべての作業を1部屋で完結させるのが最も効率的です。 - 洗面脱衣室に室内干しスペースを作る
ホスクリーンなどの天井付け物干しや、除湿乾燥機を設置すれば、洗ってすぐに干せます。 - 物干し場(バルコニーや庭)へのアクセスを良くする
洗面所から直接出られるウッドデッキやバルコニーを設けると、外干しも楽になります。 - ファミリークローゼットを隣接させる
乾いた洗濯物をたたんだら、すぐにしまえる場所に収納を計画しましょう。
料理動線「準備・調理・片付け」を効率化
キッチンの使いやすさは、毎日の料理のモチベーションを左右します。ポイントは「ワークトライアングル」と「収納・ゴミ箱計画」です。
- ワークトライアングルを意識する
「ワークトライアングルとは、キッチンでの作業で最も重要な冷蔵庫・シンク・コンロの3点を結んだ三角形の動線のこと」です。この3辺の合計が3.6m~6.0mの範囲に収まると、効率的に作業できると言われています。 - パントリーをキッチンの近くに配置する
食材のストックや普段使わない調理家電を収納するパントリーがキッチンのすぐ横にあれば、物の出し入れがスムーズです。 - 配膳・片付け動線を短くする
キッチンとダイニングテーブルを横並びに配置すると、配膳や食後の片付けがとても楽になります。 - ゴミ箱のスペースを確保する
意外と見落としがちなのがゴミ箱の置き場所です。分別用に複数のゴミ箱を置けるスペースを、設計段階でシンク下やカップボード内などに計画しておきましょう。
掃除動線を考えた収納とコンセント計画
掃除のしやすさは、「掃除道具の収納場所」と「コンセントの配置」で決まります。
- 掃除道具の収納場所を分散させる
掃除機やフローリングワイパーなどを、各階やLDKの隅など、使う場所の近くに収納できるスペースを確保しましょう。 - コードレス掃除機の充電場所を計画する
人気のコードレス掃除機を使うなら、収納内で充電できるコンセントを設置すると便利です。 - ロボット掃除機の基地を確保する
ロボット掃除機を導入する予定なら、リビングの隅や階段下など、目立たず邪魔にならない場所に基地(充電ステーション)のスペースとコンセントを用意しておきましょう。 - コンセントを適切な位置に配置する
廊下や部屋の中央付近など、掃除機のコードが届きやすい位置にコンセントがあると、コードの差し替えの手間が減ります。
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家事楽を叶える間取りのアイデアと設備
家事動線をさらに快適にする、人気の間取りアイデアや設備をご紹介します。これらを取り入れることで、家事の負担を大きく減らすことができます。
ランドリールーム・家事室

洗濯からアイロンがけまでを1箇所で行える専用スペースです。天候や時間を気にせず洗濯できるのが最大のメリット。花粉やPM2.5が気になる方にも安心です。カウンターを設ければ、洗濯物をたたむだけでなく、パソコン作業や子どもの勉強を見るスペースとしても活用できます。
ファミリークローゼット

家族全員の衣類を1箇所にまとめて収納する大型クローゼットのこと。洗濯物を各部屋に運ぶ手間がなくなり、衣替えも不要になるなど、メリットが豊富です。玄関や洗面所の近くに配置すると、帰宅動線や洗濯動線が非常にスムーズになります。
パントリー(キッチン収納庫)

食料品や飲料、日用品のストック、普段使わない調理器具などを収納しておくスペースです。パントリーがあることで、キッチンを常にすっきりと保つことができます。ウォークインタイプや、壁付けの棚タイプなど、スペースに合わせて様々な形があります。
アイランドキッチン・ペニンシュラキッチン

複数人で作業しやすいオープンなキッチンは、家事動線を良くする代表的な設備です。
- アイランドキッチン
島(アイランド)のように独立しており、回遊性が高く開放感があります。 - ペニンシュラキッチン
半島(ペニンシュラ)のように片側が壁に接しており、省スペースで開放感を得られます。
どちらも家族とコミュニケーションを取りながら料理ができ、家事の孤立感をなくしてくれます。
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家事動線のよくある失敗談と対策
最後に、家事動線で後悔しがちな失敗談と、それを防ぐための対策をご紹介します。先輩たちの失敗から学び、理想の家づくりに活かしましょう。
失敗談1:洗濯機と物干し場が遠い
「1階の洗面所に洗濯機、メインの物干し場は2階のバルコニー。毎日、重い洗濯カゴを持って階段を上り下りするのが本当に大変…」
これは非常によくある失敗例です。特に小さなお子さんがいると、洗濯物の量は増える一方。毎日の負担を考え、洗濯動線はできるだけワンフロアで完結させるか、移動距離を最短にする工夫が必要です。
失敗談2:キッチンが狭くすれ違えない
「憧れの対面キッチンにしたけど、背面のカップボードとの間の通路が狭かった。冷蔵庫のドアを開けると人が通れず、夫婦で料理をするといつもぶつかってしまう…」
キッチンの通路幅は非常に重要です。1人で使う場合でも最低90cm、複数人で使う可能性があるなら120cm程度の幅を確保するのがおすすめです。間取り図だけでは分かりにくい部分なので、ショールームなどで実際の寸法を体感しておくと良いでしょう。
失敗談3:収納が少なく物が散らかる
「動線は考えたつもりだったけど、収納が足りなかった。結局、廊下やリビングに物が溢れてしまい、かえって動きにくくなってしまった…」
動線上に物があると、スムーズな移動の妨げになります。収納は量だけでなく、「どこに」「何を」しまうかを具体的に計画することが大切です。「使う場所の近くに収納する」という「適材適所」の収納計画が、家事動線をスムーズに保つ秘訣です。
対策:間取り作成時のチェックリスト
後悔しない家事動線を計画するために、間取りを考える際に以下の点をチェックしてみてください。
- 自分の1日の動きをシミュレーションしてみたか?
朝起きてから、家事をして、仕事に行き、帰宅して、夜寝るまで…実際の生活を思い浮かべながら、間取り図の上で動いてみましょう。 - 洗濯の一連の流れ(洗う→干す→畳む→しまう)はスムーズか?
- 買い物から帰宅した際の動線(玄関→収納→キッチン)は考えられているか?
- キッチンの通路幅は十分か?(最低90cm以上)
- 掃除機の収納場所と、充電用のコンセントはあるか?
- ゴミ箱を置くスペースは確保されているか?
- 家族の動線(リビング、子ども部屋、トイレなど)と家事動線がぶつかりすぎていないか?
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
まとめ
今回は、注文住宅で家事を楽にするための「家事動線」について、基本的な考え方から具体的な間取りのアイデア、失敗しないためのポイントまでを詳しく解説しました。
家事動線の良い間取りを作るポイントは、「移動距離を短く」「作業をスムーズに」することです。
- 回遊動線や集中動線をうまく取り入れる
- ランドリールームやファミリークローゼットなどの便利な設備を活用する
- 洗濯・料理・掃除それぞれの動きに合わせた計画を立てる
これらの工夫で、日々の家事の負担は大きく変わります。
しかし、最も大切なのは、ご自身の家族構成やライフスタイルに合った、オリジナルの家事動線を見つけることです。
ぜひこの記事を参考に、ご家族にとって最高の「家事が楽になる家」を、住宅会社の担当者と一緒にじっくりと話し合いながら形にしていってください。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
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