「60坪の家」と聞くと、広々としたリビングやたくさんの部屋がある、いわゆる「豪邸」をイメージする方も多いのではないでしょうか。家族が増えたり、よりゆとりのある暮らしを求めたりする中で、60坪の注文住宅は非常に魅力的な選択肢です。
しかし、具体的に「60坪ってどれくらいの広さ?」「どんな間取りが実現できるの?」「費用はいくらかかるの?」といった疑問や不安も同時に湧いてくるはずです。
この記事では、60坪の注文住宅を検討しているあなたのために、以下の内容を分かりやすく解説します。
- 60坪の具体的な広さのイメージ
- 建築にかかる費用相場と内訳
- おしゃれな外観・内装のデザイン例
- 家づくりで後悔しないための注意点
この記事を読めば、60坪の家づくりに関する全体像が掴め、あなたの理想の住まいを実現するための第一歩を踏み出せるはずです。
この記事の目次
60坪の広さとは?平米換算と具体例
まずはじめに、多くの人が気になる「60坪」という広さの具体的なスケール感を掴んでいきましょう。
60坪は約198平米・約120畳
60坪という広さは、約198平方メートル(㎡)です。
住宅の広さを表す際には「坪」「平米(㎡)」「畳」という3つの単位がよく使われます。それぞれの関係は以下の通りです。
- 1坪 = 約3.31㎡
- 1坪 = 約2畳
この計算に基づくと、60坪は約120畳の広さになります。一般的な4人家族向けの住宅が30坪~40坪(約60畳~80畳)程度であることを考えると、60坪がいかに広いスペースであるかが分かります。
身近なもので例える60坪の広さ
数字だけではイメージしにくい方のために、身近なものに例えてみましょう。
- 学校の教室: 約3つ分(1つの教室が約65㎡)
- テニスコート(シングルス): ほぼ1面分(約196㎡)
- バレーボールコート: 1面分より少し広い(1面は162㎡)
このように、60坪の家は学校の教室3つ分に匹敵するほどの広大な空間を持っているとイメージすると、そのゆとりを実感しやすいかもしれません。
「土地60坪」と「延床面積60坪」の違い
注文住宅を検討する上で、非常に重要かつ混同しやすいのが「土地の広さ」と「建物の広さ」です。
- 土地60坪
建物を建てる敷地全体の広さが60坪であることを指します。この土地の上に、後述する「建ぺい率」や「容積率」の制限内で家を建てることになります。 - 延床面積(建坪)60坪
建物の各階の床面積を合計した広さが60坪であることを指します。「建坪60坪の家」という場合、通常はこちらを意味します。
「60坪の土地」に「延床面積60坪の家」が必ず建てられるわけではない点に注意が必要です。土地にはそれぞれ法的な制限があるため、土地選びの際はその点も確認しましょう。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
60坪の注文住宅の価格・費用相場
広々とした60坪の家を建てるには、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。ここでは、建築費用の総額相場から内訳、コストを抑えるポイントまで詳しく解説します。
建築費用の総額相場
60坪の注文住宅を建てる際の建築費用の総額は、依頼するハウスメーカーや工務店、仕様や設備のグレードによって大きく変動しますが、おおよその相場は4,800万円~9,000万円程度です。
住宅金融支援機構の「2022年度フラット35利用者調査」によると、注文住宅の全国平均坪単価は約99.9万円でした。
(参考:住宅金融支援機構 2022年度フラット35利用者調査)
この坪単価を基に計算すると、60坪の本体工事費は約6,000万円となります。ただし、これはあくまで建物本体の費用です。実際には、これに加えて付帯工事費や諸費用がかかるため、総額は本体工事費の1.2~1.3倍になると考えておきましょう。
坪単価と費用の内訳
家づくりの総費用は、大きく分けて3つの要素で構成されています。
- 本体工事費(総費用の約70~80%)
建物そのものを建てるための費用です。基礎工事、構造工事、内外装工事などが含まれます。一般的に「坪単価」で示されるのはこの部分です。 - 付帯工事費(総費用の約15~20%)
建物本体以外にかかる工事費用です。地盤改良工事、外構工事(駐車場、庭など)、給排水・ガス管の引き込み工事などが該当します。 - 諸費用(総費用の約5~10%)
工事以外で必要になる費用です。不動産取得税や固定資産税などの税金、住宅ローンの手数料、登記費用、火災保険料などが含まれます。
費用を抑えるためのポイント
予算内で理想の家を建てるためには、コストを意識した工夫が重要です。費用を抑えるための具体的なポイントをいくつかご紹介します。
- 建物の形をシンプルにする
凹凸の多い複雑な形状よりも、正方形や長方形といったシンプルな総二階建ての家は、材料費や手間を抑えられコストダウンに繋がります。 - 水回りを集中させる
キッチン、浴室、トイレなどの水回りを1階や2階の近い場所にまとめることで、配管工事の費用を削減できます。 - 間仕切りを減らす
部屋数を少なくし、壁やドアなどの間仕切りを減らすことで、材料費と工事費を抑えられます。広いLDKや将来間仕切り可能な子供部屋などが有効です。 - 設備や建材のグレードを見直す
キッチンやお風呂などの設備、床材や壁紙などの建材は、グレードによって価格が大きく変わります。こだわりたい部分とコストを抑える部分にメリハリをつけることが大切です。 - 複数の会社から相見積もりを取る
同じような要望でも、ハウスメーカーや工務店によって得意な工法や価格設定が異なります。必ず複数の会社から見積もりを取り、内容を比較検討しましょう。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
60坪の家の外観・内装
ここでは、60坪の家のスケール感を活かした、おしゃれな外観・内装デザインのアイデアをご紹介します。
テイスト別の外観デザイン実例

- シンプルモダン
直線的なラインとモノトーンの色使いが特徴。大きな窓や異素材(木、金属など)を組み合わせることで、洗練された印象になります。 - 和モダン
塗り壁や格子、瓦屋根といった日本の伝統的な要素を取り入れつつ、現代的なデザインに仕上げます。落ち着きと品格のある佇まいが魅力です。 - ラグジュアリー
石張りやタイルを外壁に用いて、重厚感と高級感を演出。シンメトリー(左右対称)なデザインにすると、より邸宅らしい風格が出ます。 - ナチュラル
ウッドサイディングや塗り壁など、自然素材を活かした温かみのあるデザイン。庭の緑との相性も抜群です。
広さを活かした内装デザイン実例

- 開放感あふれる吹き抜けリビング
60坪の家なら、リビングに大きな吹き抜けを設けても他の部屋の広さを犠牲にしません。高窓から光が降り注ぐ、明るく開放的な空間が生まれます。 - 回遊できるアイランドキッチン
キッチンの周りをぐるりと回れるアイランドキッチンは、複数人での料理やホームパーティーに最適。家事動線がスムーズになるメリットもあります。 - 充実した収納スペース
家族全員の靴が収まるシューズクローク、衣類をまとめて管理できるウォークインクローゼット、食料品をストックできるパントリーなど、適材適所に大容量の収納を設けることで、常にすっきりとした空間を保てます。 - セカンドリビング
2階のホールや廊下の一角に、ソファや本棚を置いたセカンドリビングを設けるのも人気です。家族それぞれのプライベートな時間を尊重しつつ、気配を感じられる空間になります。
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60坪の家づくりで後悔しないための注意点
広くて快適な60坪の家ですが、計画段階で知っておかないと後悔に繋がる可能性もあります。ここでは、家づくりを成功させるための重要な注意点を3つ解説します。
土地選びと建ぺい率・容積率の基礎知識
理想の家を建てるには、土地選びが非常に重要です。特に、「建ぺい率」と「容積率」は必ず理解しておきましょう。
- 建ぺい率(けんぺいりつ)とは?
敷地面積に対する建築面積(建物を真上から見た面積)の割合です。例えば、「土地60坪、建ぺい率50%」の場合、建物を建てられる面積は30坪までとなります。 - 容積率(ようせきりつ)とは?
敷地面積に対する延床面積(各階の床面積の合計)の割合です。例えば、「土地60坪、容積率100%」の場合、延床面積は60坪までとなります。
「土地が60坪あっても、建ぺい率や容積率の制限によって、延床面積60坪の家が建てられないケースがある」ということを覚えておきましょう。
広さゆえのデメリットと対策方法
広い家には、特有のデメリットも存在します。事前に対策を考えておくことで、快適な暮らしに繋がります。
- 掃除が大変になる
対策: ロボット掃除機がスムーズに動けるよう、床の段差をなくしたり、家具の配置を工夫したりしましょう。傷や汚れに強い床材を選ぶのも有効です。 - 光熱費が高くなる
対策: 家の断熱性・気密性を高めることが最も重要です。高性能な窓や断熱材を採用することで、冷暖房効率が格段にアップします。全館空調や太陽光発電システムの導入も検討しましょう。 - 生活動線が長くなる
対策: キッチンから洗面所、物干しスペースへの動線を短くするなど、家事動線をコンパクトにまとめる工夫が必要です。回遊性のある間取りも動線の短縮に繋がります。 - 家族のコミュニケーションが減る可能性
対策: 個室にいても家族の気配が感じられるよう、リビング階段や吹き抜けを採用したり、2階ホールに共有のスタディコーナーを設けたりするのがおすすめです。
固定資産税など完成後の維持費
家は建てて終わりではありません。完成後にかかる維持費(ランニングコスト)も考慮しておく必要があります。
- 固定資産税・都市計画税
毎年かかる税金で、土地と建物の評価額によって決まります。建物が大きく、設備が豪華になるほど評価額は上がり、税金も高くなる傾向があります。 - メンテナンス費用
外壁や屋根は10年~15年に一度、塗装や補修などのメンテナンスが必要です。家が広い分、外壁や屋根の面積も広くなるため、メンテナンス費用は一般的な住宅よりも高額になります。長期的な修繕計画を立て、費用を積み立てておくと安心です。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
まとめ
60坪の注文住宅は、広々とした空間で家族構成やライフスタイルに合わせた自由な家づくりが楽しめる、非常に魅力的な選択肢です。
- 広さ: 約198㎡(約120畳)で、一般的な住宅の1.5倍~2倍のゆとりがある。
- 価格: 総額相場は4,800万円~9,000万円程度が目安。仕様や依頼先で大きく変動する。
- 間取り: 平屋、二階建て、二世帯住宅など、あらゆる要望に対応可能。趣味の部屋や大容量収納も実現できる。
- 注意点: 費用だけでなく、光熱費や固定資産税などの維持費、広さゆえのデメリットも考慮して計画することが後悔しないための鍵。
60坪の家づくりを成功させるためには、自分たちの理想の暮らしを具体的にイメージし、それを形にしてくれる信頼できるパートナー(ハウスメーカーや工務店)を見つけることが何よりも大切です。
まずは複数の会社のカタログを取り寄せたり、モデルハウスを見学したりして、情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。この記事が、あなたの理想の家づくりの一助となれば幸いです。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
家を建てるならロゴスホーム

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