「このまま家賃を払い続けるのはもったいない?」「そろそろマイホームを考えるべき?」
結婚や出産、キャリアの変化など、人生の節目で多くの人が直面するのが「賃貸か、購入か」という大きな選択です。周りの友人や同僚が家を買い始めると、焦りや疑問を感じることもあるでしょう。
この記事では、そんな悩みを抱えるあなたのために、賃貸と購入のどちらが自分に合っているのかを判断するための情報を網羅的に解説します。
費用やメリット・デメリットを多角的に比較し、あなたのライフプランに最適な住まいの形を見つけるお手伝いをします。最終的に後悔しない選択ができるよう、一緒に考えていきましょう。
この記事の目次
あなたは賃貸向き?購入向き?簡単診断
まずは簡単な質問に答えて、あなたがどちらのタイプに近いかチェックしてみましょう。考えすぎず、直感で答えてみてください。
ライフプランに関する質問
- 転勤や転職の可能性が高い?
- 数年以内に家族構成が変わる予定がある?(結婚、出産、独立など)
- 将来、地元に戻ったり、海外に移住したりする可能性がある?
「はい」が多いほど、ライフスタイルの変化に柔軟に対応できる賃貸向きの可能性が高いです。
お金に関する質問
- まとまった自己資金(頭金)を用意するのが難しい?
- 住宅ローンの長期的な返済に不安を感じる?
- 家のメンテナンスや固定資産税などの継続的な出費は避けたい?
「はい」が多いほど、初期費用や維持費の負担が少ない賃貸向きと言えるでしょう。
住まいへの価値観に関する質問
- 自分の好きなようにリフォームやDIYをしたい?
- 「自分の城」を持つことに強い憧れがある?
- 将来、住まいを資産として残したい、または活用したい?
「はい」が多いほど、所有する喜びや自由度の高さを得られる購入向きの傾向があります。
この診断はあくまで一つの目安です。次に、具体的な費用やメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
賃貸と購入の費用を項目別に比較
住まいにかかるお金は、目先の家賃やローン返済額だけではありません。ここでは、初期費用から将来にわたる総費用まで、お金の側面から賃貸と購入を徹底比較します。
初期費用の違い
住み始める際に必要となる初期費用は、購入の方が圧倒的に高額になります。
- 賃貸の場合
一般的に家賃の4~6ヶ月分が目安です。主な内訳は以下の通りです。- 敷金: 家賃の1~2ヶ月分
- 礼金: 家賃の0~2ヶ月分
- 仲介手数料: 家賃の0.5~1ヶ月分+消費税
- 前家賃: 入居する月の家賃
- 火災保険料・鍵交換費用など
- 購入の場合
物件価格とは別に、物件価格の3%~10%程度の諸費用がかかります。例えば、3,000万円の物件なら90万円~300万円が目安です。- 頭金: 物件価格の一部(近年は頭金ゼロのローンもあります)
- 仲介手数料: (中古物件の場合)物件価格の3%+6万円+消費税が上限
- ローン保証料・事務手数料
- 印紙税
- 登記費用(登録免許税・司法書士報酬)
- 不動産取得税
- 火災保険料・地震保険料
初期費用を抑えたいなら賃貸、長期的な視点で資産形成を考えるなら購入という基本的な違いがあります。
月々の支払いの違い
毎月の支払いも、賃貸と購入では内容が大きく異なります。
- 賃貸の場合
支払うのは主に家賃と管理費(共益費)です。金額が一定で分かりやすいのが特徴です。 - 購入の場合
住宅ローンの返済が中心ですが、それ以外にも様々な費用がかかります。- 住宅ローン返済額
- 管理費・修繕積立金(マンションの場合)
- 固定資産税・都市計画税(年間の税額を12で割った額)
購入の場合は、ローン返済以外の費用も考慮して資金計画を立てることが非常に重要です。
税金・保険の違い
税金や保険は、特に購入した場合に継続的に関わってくる重要なポイントです。
- 賃貸の場合
基本的に大きな税金の負担はありません。保険は、自分の家財を守るための火災保険(家財保険)に加入するのが一般的です。 - 購入の場合
所有している限り、税金と保険の支払いが発生します。- 税金
固定資産税・都市計画税が毎年かかります。土地や建物の評価額によって税額は変わります。 - 保険
住宅ローンを組む際には団体信用生命保険(団信)への加入が必須となることがほとんどです。また、建物自体を守るための火災保険・地震保険への加入も必要です。
- 税金
35年間の総額費用比較
長期的に見ると、どちらが「得」なのでしょうか。簡単なモデルケースで比較してみましょう。
【条件】
- 賃貸: 家賃12万円(管理費込)、2年ごとに更新料1ヶ月分
- 購入: 4,000万円の物件を頭金なし、金利1.5%(元利均等)、35年ローンで購入。管理費・修繕積立金が月2.5万円、固定資産税が年15万円と仮定。
- 賃貸の35年間総額
- 家賃・管理費:12万円 × 12ヶ月 × 35年 = 5,040万円
- 更新料:12万円 × 17回(35年間で)= 204万円
- 合計:約5,244万円
- 購入の35年間総額
- ローン返済総額:約4,938万円
- 管理費・修繕積立金:2.5万円 × 12ヶ月 × 35年 = 1,050万円
- 固定資産税:15万円 × 35年 = 525万円
- 初期費用(諸費用):約200万円
- 合計:約6,713万円
このシミュレーションでは購入の方が高くなりましたが、購入の場合は35年後にローン返済が終われば、住居費は管理費と税金のみになり、手元には不動産という資産が残ります。 一方、賃貸は70歳、80歳になっても家賃を払い続ける必要があります。
金利や物件価格、家賃相場によって結果は大きく変わるため、あくまで参考としてください。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
メリット・デメリットを多角的に比較
お金以外の側面も、住まい選びでは非常に重要です。ここでは、4つの観点から賃貸と購入のメリット・デメリットを比較します。
自由度(リフォーム・ペット飼育)
- 購入のメリット
自分の資産なので、法律の範囲内であれば自由にリフォームやリノベーションができます。 壁紙を変えたり、キッチンを最新のものにしたり、間取りを変更したりと、理想の住空間を追求できます。ペット飼育も規約の範囲内で可能です。 - 賃貸のデメリット
壁に穴を開けることさえ制限されることが多く、大規模な変更はできません。ペット可の物件も限られており、追加の敷金が必要になるケースもあります。
資産性(資産になるかならないか)
- 購入のメリット
住宅ローンを完済すれば、不動産が自分の資産として手元に残ります。 将来的に売却して現金化したり、賃貸に出して家賃収入を得たりすることも可能です。 - 賃貸のデメリット
いくら家賃を払い続けても、自分の資産になることはありません。支払った家賃は消費されていくだけです。
責任と手間(メンテナンス・管理)
- 賃貸のメリット
建物の維持管理や設備の修繕は、基本的に大家さんや管理会社の責任で行われます。 給湯器の故障や雨漏りなどのトラブルが発生しても、費用負担なく対応してもらえるため、手間がかかりません。 - 購入のデメリット
建物のメンテナンスや設備の修繕は、すべて自己責任・自己負担です。特に戸建ての場合は、外壁塗装や屋根の修理など、将来的にまとまった費用が必要になります。マンションの場合は、管理組合の理事になるなど、運営に関わる手間が発生することもあります。
住み替えの容易さ
- 賃貸のメリット
ライフステージの変化に合わせて、気軽に住み替えができます。 転勤、転職、子供の成長、独立など、家族の状況に応じて最適な広さや間取り、立地の物件に引っ越せる柔軟性は最大の魅力です。 - 購入のデメリット
住み替えは簡単ではありません。家を売却するには時間がかかりますし、希望の価格で売れるとは限りません。売却損が出るリスクもあります。賃貸に出す場合も、空室リスクや管理の手間が伴います。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
年代・年収別生涯コストシミュレーション
あなたの状況に近いケースを参考に、より具体的にイメージしてみましょう。
30代・年収500万円・夫婦のケース
- 賃貸の場合
家賃10万円の物件に住み続けると、35年間の総支払額は約4,410万円。老後も家賃負担が続く。 - 購入の場合
3,500万円の物件を購入(金利1.5%、35年ローン)。35年間の総支払額は約5,700万円。ローン完済後は資産が残り、住居費は大幅に減少。 - ポイント
子育て環境を重視し、長く同じ場所に住む覚悟があるなら購入も有力な選択肢です。 ただし、将来の収入増や教育費なども考慮した無理のない資金計画が必須です。
40代・年収700万円・子育て世帯のケース
- 賃貸の場合
子供の成長に合わせ、家賃15万円の広い物件に住み替え。35年間の総支払額は約6,615万円。 - 購入の場合
5,000万円の物件を購入(金利1.5%、35年ローン)。35年間の総支払額は約8,000万円。定年までにローンを完済できるかが焦点。 - ポイント
教育費がピークを迎える時期とローン返済が重なるため、慎重な判断が必要です。 退職金などを繰り上げ返済に充てる計画も視野に入れると良いでしょう。
20代・年収400万円・単身者のケース
- 賃貸の場合
家賃7万円の物件に住み続けると、35年間の総支払額は約3,087万円。キャリアやライフプランの不確定要素が多い時期は、住み替えやすい賃貸が合理的。 - 購入の場合
2,500万円の物件を購入(金利1.5%、35年ローン)。35年間の総支払額は約4,100万円。 - ポイント
将来の結婚や転勤などを考えると、現時点での購入はリスクが高いかもしれません。 まずは頭金を貯めながら、将来の選択肢を広げておくのが賢明です。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
「家賃がもったいない」は本当か?
多くの人が一度は考える「家賃がもったいない」という言葉。この考え方は正しいのでしょうか?両方の立場から見てみましょう。
購入派の主張と根拠
- 支払いが資産になる
家賃は消えてなくなるお金ですが、住宅ローンは「自分の家」という資産への投資です。完済すれば、家賃負担のない生活が待っています。 - 団信による生命保険効果
ローン契約者に万が一のことがあっても、団体信用生命保険で残りのローンが完済されるため、家族に住まいを残せます。 - 社会的信用
持ち家があることは、社会的な信用につながる側面もあります。
賃貸派の主張と根拠
- 「もったいない」のは購入も同じ
住宅ローンの金利部分や、固定資産税、修繕費などは、家賃と同じく消費されるコストです。また、建物の価値は年々下落していくリスクもあります。 - リスクと費用の少なさ
災害リスク、資産価値下落リスク、近隣トラブルのリスクなどを所有者として負う必要がありません。メンテナンス費用もかからず、総費用をコントロールしやすいです。 - 自由度の高さ
ライフスタイルの変化に柔軟に対応できる「住み替えの自由」は、お金には代えがたい価値があります。
損得だけで決められないポイント
結局のところ、「家賃がもったいない」かどうかは、その人の価値観やライフプラン次第です。
金銭的な損得勘定だけでなく、「どんな暮らしを送りたいか」という視点が最も重要です。 家族との時間を大切にできる間取り、趣味に没頭できる空間、通勤の利便性など、あなたにとっての「理想の暮らし」を実現できるのは、賃貸と購入のどちらでしょうか。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
人気不動産サイトで物件を探す
賃貸と購入、それぞれのイメージが湧いてきたら、次は実際にどんな物件があるのか見てみましょう。具体的な物件情報を見ることで、自分の選択がより現実味を帯びてきます。
ここでは、物件情報が豊富な大手不動産サイト「スーモ(SUUMO)」「アットホーム(athome)」「ホームズ(HOME’S)」をご紹介します。
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購入物件(マンション・戸建て)を探す
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「LIFULL HOME’S」は、多様な検索軸と住まいの見える化(価格相場など)に力を入れているサイトです。
賃貸物件を探す
家賃相場や住みやすさのレビューなど、物件選びに役立つ情報が満載です。
「ホームズ(HOME’S)で賃貸物件を探す」
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内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
まとめ
賃貸と購入、どちらか一方に絶対的な正解はありません。それぞれのメリット・デメリットを正しく理解し、あなたのライフプラン、価値観、そして資金計画に最も合った選択をすることが「あなたにとっての正解」です。
この記事のポイントを最後にもう一度おさらいしましょう。
- 賃貸向きな人: 転勤やライフスタイルの変化が多い、初期費用や維持費を抑えたい、住み替えの自由を重視する人
- 購入向きな人: 長く同じ場所に住みたい、資産形成をしたい、自由にリフォームしたい、ローン返済計画に無理がない人
まずは不動産サイトで実際の物件を見ながら、賃貸と購入、両方の可能性を探ってみてください。この記事が、あなたの後悔のない住まい選びの第一歩となれば幸いです。