「注文住宅を建てるなら、家のどこにいても快適にインターネットが使えるようにしたい!」
「でも、Wi-Fiルーターってどこに置くのが正解?ネット回線の工事はいつ頼めばいいの?」
注文住宅の計画を進める中で、多くの方がこのような「インターネット環境」の悩みに直面します。間取りや内装が決まってからでは、配線の変更は困難です。後から「あそこにLANコンセントがあれば…」「この部屋だけWi-Fiが弱い…」と後悔しないために、設計段階での準備が非常に重要になります。
この記事では、注文住宅の建築を計画しているあなたのために、失敗しないWi-Fi環境を整えるための全ての情報をまとめました。最適なルーターの置き場所から、新築時のネット回線工事の進め方、ハウスメーカーに伝えるべきことまで、専門知識がなくても分かるように徹底解説します。
この記事を読めば、あなたの理想のマイホームで、家族みんながストレスなくインターネットを楽しめる環境を整えることができます。
この記事の目次
注文住宅Wi-Fiルーターの最適な置き場所
快適なWi-Fi環境を構築する上で、最も重要なのが「Wi-Fiルーターの置き場所」です。Wi-Fiの電波は、ルーターを中心に球体状に広がります。そのため、どこに置くかによって、家の中での電波の届き方が大きく変わってしまうのです。
結論!家の中心、2階建て以上なら階段ホール
注文住宅におけるWi-Fiルーターの最適な置き場所は、「家の中心」かつ「床から1〜2mの高さ」です。
Wi-Fiの電波は障害物に弱く、壁や家具、家電製品などによって減衰してしまいます。家の中心にルーターを設置することで、家全体に効率よく電波を届けることができます。
また、電波は上下方向にも広がるため、2階建てや3階建ての住宅の場合は、各階の中心に位置する「階段ホール」や「吹き抜けの近く」が最も理想的な設置場所と言えるでしょう。ここに置くことで、1階から最上階まで、ムラなく電波を行き渡らせることが可能になります。
間取り別おすすめ設置場所を図解
ご自身の新築プランの間取り図をイメージしながら、最適な設置場所を確認してみましょう。
平屋の間取り
平屋の場合は、家の形状が比較的シンプルなため、間取りの中心に位置するリビングや廊下がおすすめです。
テレビボードの上や、壁際に設置した棚の上など、少し高さのある場所に置くと、家具などに電波が遮られにくくなります。
2階建ての間取り
2階建て住宅で最もおすすめなのは、2階のホールや廊下です。
1階と2階の両方に効率よく電波を届けられるため、家全体の通信環境が安定しやすくなります。設計段階で、2階ホールの壁に光コンセントと電源コンセントを設置してもらうよう、ハウスメーカーに依頼しましょう。
もし、間取りの都合で1階にしか設置できない場合は、家の中心にあたるリビングなどに置くのが良いでしょう。
3階建ての間取り
3階建ての場合は、家全体を1台のルーターでカバーするのが難しくなります。
基本的には、家全体の中心となる2階のホールにルーターを設置するのが最も効率的です。しかし、建物の構造や材質によっては、1階や3階で電波が弱くなる可能性があります。その場合は、後述する「メッシュWi-Fi」の導入を強くおすすめします。
ルーターを隠す「情報ボックス」の活用
「ルーターや配線がごちゃごちゃして見えるのは嫌だ」という方には、「情報ボックス(マルチメディアポート)」の活用がおすすめです。
情報ボックスとは、光回線の終端装置(ONU)やWi-Fiルーター、ハブなどをまとめて壁面に収納できる箱のことです。
見た目がスッキリするだけでなく、機器をホコリから守り、掃除がしやすくなるというメリットもあります。設置を希望する場合は、設計段階でハウスメーカーに相談しましょう。
ただし、設置場所には注意が必要です。クローゼットの奥深くなど、電波が遮られやすい場所に設置すると通信が不安定になるため、リビングやホールの壁面など、開けた場所に設置するのがポイントです。
避けるべきWi-FiルーターのNGな置き場所
快適なWi-Fi環境のためには、ルーターを置いてはいけない場所を知っておくことも大切です。以下の場所は電波を妨げる原因になるため、避けるようにしましょう。
水槽や金属ラックの周辺
- 水槽
水はWi-Fiの電波を吸収する性質があります。ルーターの近くに水槽があると、電波が著しく弱まる原因になります。 - 金属製の棚やラック
金属は電波を反射・遮断してしまいます。金属製のラックの中や周りにルーターを置くと、電波がうまく広がりません。
テレビや電子レンジなどの家電の近く
- テレビ
大型のテレビは、それ自体が電波を遮る障害物になります。テレビの真裏に隠すように置くのは避けましょう。 - 電子レンジ
電子レンジは、Wi-Fiの周波数帯の一つである2.4GHz帯と同じ電波を使用します。そのため、電子レンジの使用中にWi-Fiの電波が干渉を受け、通信が不安定になることがあります。 - コードレス電話
コードレス電話の親機も、機種によってはWi-Fiと電波干渉を起こす可能性があります。
床や部屋の隅
- 床への直置き
床に直接ルーターを置くと、電波が床材に吸収されたり、低い位置からでは家具などの障害物に遮られたりして、遠くまで届きにくくなります。 - 部屋の隅
部屋の隅に置くと、電波が壁の外へ無駄に放出されてしまい、家の中に効率よく電波を届けることができません。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
新築時のネット回線工事の進め方
注文住宅でインターネットをスムーズに利用開始するためには、建築スケジュールに合わせた計画的な準備が不可欠です。特に、光回線の工事はタイミングが重要になります。
打ち合わせから開通までの4ステップ
新築戸建てのインターネット開通は、以下の4つのステップで進めるのが一般的です。
- STEP1:建築計画・設計段階
ハウスメーカーや工務店との打ち合わせで、Wi-Fi環境に関する要望を伝えます。光コンセントやLANコンセントの設置場所、先行配管(空配管)の要否などをこの段階で決めておきましょう。 - STEP2:建築開始〜上棟後
利用したい光回線サービスを比較検討し、申し込み手続きを行います。申し込みから開通までは時間がかかるため、早めに動き出すのがポイントです。 - STEP3:引き渡し直前〜直後
建物の引き渡し前後に、回線事業者の作業員が訪問し、電柱から宅内へ光ファイバーケーブルを引き込む工事(宅内工事)を実施します。 - STEP4:入居後
工事完了後、ご自身でWi-Fiルーターなどの機器を接続・設定すれば、インターネットが利用できるようになります。
光回線の申し込みは建築3ヶ月前が目安
光回線の申し込みは、建物の引き渡し予定日の3ヶ月前までに行うのが理想的です。
申し込みから実際の開通工事までには、通常1〜2ヶ月ほどかかります。特に、引越しシーズンである3月〜4月や、9月〜10月は申し込みが集中し、工事の予約が取りにくくなる傾向があります。
「入居したのにインターネットが使えない!」という事態を避けるためにも、余裕を持ったスケジュールで申し込みを済ませておきましょう。
ハウスメーカーに伝えるべき要望チェックリスト
設計段階の打ち合わせで、以下の要望をハウスメーカーや建築士、電気工事業者に明確に伝えましょう。後から変更するのは難しいため、非常に重要なポイントです。
- 光コンセントの設置場所
Wi-Fiルーターを置きたい場所(例:2階ホール、リビングの中心付近など)を伝え、そこに光コンセントと電源コンセントをセットで設置してもらいましょう。 - 各部屋へのLANコンセントの設置
書斎や子ども部屋、寝室など、有線LAN接続を使いたい部屋があれば、LANコンセントの設置を依頼します。 - 先行配管(空配管)の依頼
将来的にLANケーブルを追加したり、配線を変更したりする可能性に備え、壁の中にケーブルを通すための管(空配管)を通してもらうことを強くおすすめします。 - テレビアンテナ端子との位置関係
テレビ周りにルーターを置く予定の場合は、テレビアンテナ端子や電源コンセントの数を多めに確保しておくと便利です。 - 情報ボックスの設置希望
ルーター類をまとめて収納したい場合は、情報ボックスの設置を依頼します。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
家中にWi-Fiを届けるネットワーク環境
広い注文住宅や、鉄筋コンクリート造のような電波を通しにくい構造の家では、ルーターの置き場所を工夫するだけでは不十分な場合があります。家全体のネットワーク環境を設計段階から考えておくことが大切です。
各部屋への有線LAN配線「先行配管」の重要性
「先行配管(空配管)」とは、将来LANケーブルなどを通すために、壁や天井の中にCD管と呼ばれる空の管をあらかじめ設置しておく工事のことです。
新築時に先行配管をしておく最大のメリットは、後から配線工事をするよりも圧倒的に安く、キレイに仕上がることです。
建築後だと、壁に穴を開けたり、ケーブルが壁の外に露出したりしてしまい、見栄えが悪くなるだけでなく、工事費用も高額になります。
「今は必要ないかも」と思っても、将来の子どもの成長やライフスタイルの変化に備え、主要な部屋には先行配管とLANコンセントを設置しておくことを強く推奨します。
広い家や3階建てなら「メッシュWi-Fi」を検討
「メッシュWi-Fi」とは、メインとなるルーターと、複数のサテライトルーターが連携し、家全体に網目(メッシュ)のようにWi-Fiネットワークを張り巡らせるシステムです。
従来の「中継機」とは異なり、家の中を移動しても最適な電波に自動で切り替わるため、接続が途切れたり遅くなったりすることがありません。
- メリット
- 広い範囲を安定してカバーできる
- 移動しても接続が途切れない(シームレスなローミング)
- 設定が比較的簡単
- デメリット
- 通常のWi-Fiルーターよりもコストが高い
3階建ての住宅や、部屋数が多い広い家、複雑な間取りの家で快適なWi-Fi環境を求めるなら、メッシュWi-Fiは非常に有効な選択肢です。
安定性重視なら有線LANとWi-Fiを併用
オンラインゲーム、4K動画のストリーミング、ビデオ会議など、通信の速度と安定性が特に重要な用途には、今でも有線LAN接続が最も確実で高速です。
Wi-Fiは手軽で便利ですが、電波状況によっては通信が不安定になることがあります。一方で、有線LANは物理的なケーブルで接続するため、外部からの影響を受けにくく、常に安定した高速通信が可能です。
- 有線LANがおすすめ
デスクトップPC、テレビ、ゲーム機、NAS(ネットワーク対応HDD) - Wi-Fiがおすすめ
スマートフォン、タブレット、ノートPC、スマートスピーカー
このように、「動かさない機器は有線LAN、持ち運ぶ機器はWi-Fi」と使い分けることで、最も快適なインターネット環境を構築できます。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
ONU・モデム・ルーターの役割と違い
インターネット回線を契約すると、いくつかの機器が設置されます。それぞれの役割を理解しておくと、トラブルが起きたときにも役立ちます。
ONUは光回線の信号を変換する装置
「ONU(Optical Network Unit)」は「光回線終端装置」とも呼ばれ、電柱から引き込んだ光ファイバーケーブルからの光信号を、パソコンなどが認識できるデジタル信号に変換する装置です。光回線を利用する場合には必ず必要になります。
ルーターは複数端末をネット接続する装置
「ルーター」は、ONUが変換したデジタル信号を、複数のパソコンやスマートフォン、ゲーム機などに分配する役割を持つ装置です。このルーターにWi-Fi機能が搭載されたものが「Wi-Fiルーター」です。ルーターがなければ、基本的に1台の機器しかインターネットに接続できません。
モデム・ONU・ルーターの一体型機器
最近では、回線事業者からレンタルされる機器に、ONU(またはモデム)とルーターの機能が一体化した「ホームゲートウェイ」が増えています。
このタイプであれば、設置する機器が1台で済むため、配線がスッキリするというメリットがあります。ただし、内蔵されているWi-Fi機能の性能が十分でない場合は、別途ご自身で高性能なWi-Fiルーターを用意し、ホームゲートウェイに接続して使うことも可能です。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
注文住宅のWi-Fiに関するよくある質問
最後に、注文住宅のWi-Fi環境に関して、多くの方が抱く疑問にお答えします。
ルーターを収納の中に隠しても大丈夫?
はい、条件付きで大丈夫です。
ルーターを見えない場所に置きたい場合、クローゼットやパントリーなどの収納内に設置することも可能です。ただし、以下の点に注意してください。
- 扉の素材
電波を通しやすい木製の扉にしましょう。金属製や、鏡面仕上げの扉は電波を遮断するため避けてください。 - 通気性の確保
ルーターは熱を持つため、熱がこもらないようにある程度のスペースを確保し、通気性を良くすることが重要です。 - 設置場所
収納の奥まった場所ではなく、なるべく扉に近い手前側に設置しましょう。
テレビ裏へのルーター設置はおすすめ?
いいえ、あまりおすすめできません。
テレビ本体が電波を遮る大きな障害物になるほか、テレビやレコーダーなどの周辺機器と電波干渉を起こし、通信が不安定になる可能性があります。見た目はスッキリしますが、通信品質を優先するなら避けた方が賢明です。
回線工事にかかる時間と費用は?
- 工事時間
建物の状況によりますが、新規の光回線工事にかかる時間はおおむね1〜2時間程度です。 - 工事費用
新規契約の場合、キャンペーンなどにより工事費が実質無料になるケースが多くあります。 ただし、契約プランや事業者によって条件が異なるため、申し込み時に必ず確認しましょう。別途、契約事務手数料として3,300円(税込)程度がかかるのが一般的です。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
まとめ
後悔しない注文住宅のWi-Fi環境を整えるためのポイントを振り返りましょう。
- ルーターの最適な置き場所は「家の中心」で「床から1〜2mの高さ」
2階建て以上なら、2階のホールがベストポジションです。 - ネット回線の申し込みは「引き渡し3ヶ月前」が目安
入居後すぐにインターネットが使えるよう、早めに手続きをしましょう。 - 設計段階でハウスメーカーに要望を伝えることが最重要
「光コンセントの位置」「各部屋へのLANコンセント」「先行配管」の3点は必ず伝えましょう。 - 家の広さや使い方に合わせて最適な設備を選ぶ
広い家なら「メッシュWi-Fi」、安定性重視なら「有線LAN」との併用がおすすめです。
家づくりは決めることが多く大変ですが、インターネット環境は毎日の生活の快適さを左右する重要なインフラです。ぜひこの記事を参考にして、あなたの理想のマイホームに、最高のネットワーク環境を構築してください。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
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