「理想の注文住宅、エアコンはどうするのが一番いいの?」
家づくりを進める中で、多くの方がこの疑問にぶつかります。ハウスメーカーから提案されたプランは安心だけど、なんだか費用が高い気がする…。かといって、自分でエアコンを手配する「施主支給」は、手間がかかりそうで不安。
この記事では、そんなお悩みを持つあなたのために、注文住宅のエアコン設置に関する情報を徹底解説します。
依頼先ごとのメリット・デメリットから、気になる費用相場、失敗しないための注意点まで、この記事を読めばすべてが分かります。あなたにとって最適な選択肢を見つけ、快適で後悔のない家づくりを実現させましょう。
この記事の目次
依頼先別メリット・デメリット早見表
注文住宅のエアコン設置は、大きく分けて「ハウスメーカー・工務店に依頼する」方法と、「施主支給」の2つがあります。まずはそれぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。
ハウスメーカー・工務店に依頼
メリット | デメリット |
---|---|
手間がかからない | 費用が割高になる傾向がある |
住宅ローンに組み込める場合がある | 選べるエアコンの機種が限られる |
建物の保証と一括で安心 | 最新モデルが選べないことがある |
隠蔽配管などデザイン性の高い工事がスムーズ |
ハウスメーカーや工務店に任せる最大のメリットは、手間がかからないことです。エアコンの選定から業者手配、工事の立ち会いまで、すべてお任せできるため、忙しい方でも安心です。また、建物の構造を熟知しているため、隠蔽配管などデザイン性にこだわった設置もスムーズに進みます。
一方で、費用が割高になる点が最大のデメリットと言えるでしょう。中間マージンが発生するため、家電量販店などで購入するより高くなるのが一般的です。
施主支給(家電量販店・ネット通販)
メリット | デメリット |
---|---|
費用を安く抑えられる | 手間と時間がかかる |
好きなメーカー・機種を自由に選べる | 住宅ローンに組み込めない |
最新モデルやセール品を選べる | 建物とエアコンの保証が別々になる |
ポイント還元などでお得に購入できる | ハウスメーカーとの調整が必要 |
施主支給の最大のメリットは、費用を大幅に抑えられる可能性があることです。家電量販店のセールやネット通販を利用すれば、本体価格を安くできます。また、メーカーや機種の選択肢が広く、最新機能を持つモデルやデザイン性の高いエアコンを自由に選べるのも魅力です。
しかし、エアコンの選定、購入、取り付け業者の手配、工事日程の調整などをすべて自分で行う手間がかかります。また、ハウスメーカーとの連携がうまくいかないと、トラブルの原因になる可能性もあるため注意が必要です。
結論どっちがおすすめ?ケース別診断
結局、どちらを選べば良いのでしょうか?あなたのタイプに合わせておすすめの選択肢を診断します。
- 手間をかけずに安心感を得たい人
ハウスメーカー・工務店への依頼がおすすめです。費用は割高になりますが、面倒な手続きや業者とのやり取りは一切不要。家づくりのプロにすべて任せたい方に最適です。 - 少しでも費用を安く抑えたい人
施主支給がおすすめです。自分で動く手間はかかりますが、その分コストを削減できます。特に複数台設置する場合は、大きな節約につながる可能性があります。 - エアコンの機種や機能にこだわりたい人
施主支給がおすすめです。ハウスメーカーの提案にはない最新モデルや、特定の機能(AI、省エネ、空気清浄など)を持つエアコンを自由に選びたいなら、自分で探すのが一番です。 - 隠蔽配管などデザイン性を重視する人
ハウスメーカー・工務店への依頼がおすすめです。壁の中に配管を通す隠蔽配管は、建築工事との連携が不可欠です。後から工事するのは難しいため、設計段階から相談できるハウスメーカーに任せるのが安心です。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
エアコン設置の費用相場と内訳
エアコン設置にかかる費用は、「本体価格」と「取り付け工事費」の合計で決まります。依頼先によってどれくらいの違いがあるのか見ていきましょう。
依頼先別の総費用比較(本体+工事費)
依頼先 | 6畳用エアコン1台の総費用目安 |
---|---|
ハウスメーカー・工務店 | 約10万円~20万円 |
施主支給(家電量販店・ネット) | 約6万円~15万円 |
※上記はあくまで目安です。機種のグレードや工事内容によって変動します。
一般的に、施主支給の方が1台あたり数万円安くなる傾向にあります。複数台設置する場合、その差はさらに大きくなります。
ハウスメーカーの見積もりが高い理由
「どうしてハウスメーカーの見積もりはこんなに高いの?」と疑問に思う方も多いでしょう。その理由は主に3つあります。
- 中間マージン
ハウスメーカーが下請けの電気工事業者に工事を発注するため、その間にマージン(手数料)が発生します。 - 高品質な部材の使用
配管や化粧カバーなど、耐久性の高い部材を使用している場合があります。見えない部分にもコストがかかっているケースです。 - 手厚い保証
建物と一体での長期保証が含まれているため、その分の費用が価格に上乗せされています。
決して不当に高いわけではなく、安心や手間を省くためのサービス料が含まれていると考えると良いでしょう。
エアコン本体価格の目安
エアコン本体の価格は、対応畳数と機能によって大きく変わります。
対応畳数 | 本体価格の目安(標準モデル) |
---|---|
6畳用 | 約4万円~8万円 |
10畳用 | 約6万円~12万円 |
14畳用 | 約8万円~18万円 |
18畳以上 | 約12万円~ |
省エネ性能が高いモデルや、空気清浄・自動お掃除機能などが付いた上位モデルは、さらに高額になります。
取り付け工事費の内訳と追加費用
エアコンの取り付け工事には「標準工事」と「追加工事」があります。
標準工事費の目安
約1.5万円~2.5万円が相場です。
一般的に以下の内容が含まれます。
- 室内機、室外機の設置
- 配管用の穴あけ(木造・モルタル壁1箇所)
- 配管パイプの接続(4mまで)
- 真空引き(エアパージ)
- アース接続
追加工事費の例
以下のようなケースでは、追加費用が発生します。
- 配管の延長
1mあたり約3,000円~ - 化粧カバーの設置
室内用:約1万円~、室外用:約5,000円~ - 高所作業費(2階→1階など)
約5,000円~ - コンセントの交換・電圧切替
約3,000円~ - 隠蔽配管の工事
約1.5万円~(標準工事費に加算)
見積もりを取る際は、追加工事費を含めた総額で比較することが重要です。
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最適な設置タイミングはいつ?
新築の場合、エアコンを「建築中に設置する」か「引き渡し後に後付けする」かを選べます。それぞれのメリットを理解して、最適なタイミングを判断しましょう。
建築中に設置(先行配管)する利点
建築中に設置する最大のメリットは、配管を壁の中や天井裏に通す「隠蔽配管」ができることです。
- 見た目がスッキリする
配管が外から見えないため、建物の外観や室内のインテリアを損ないません。 - 穴あけがスムーズ
建築段階で配管用の穴(スリーブ)を設置しておくため、建物の気密性や断熱性を損なうリスクが低くなります。 - 室外機の置き場所を自由に決めやすい
配管の露出を気にしなくてよいため、室外機を目立たない場所に設置できます。
引き渡し後に後付けする利点
引き渡し後に後付けするメリットは、機種選びの自由度が高いことです。
- 最新モデルを選べる
引き渡し時点での最新機種を選べるため、より省エネ性能や機能性が高いエアコンを設置できます。 - じっくり比較検討できる
建築中の慌ただしい中で決める必要がなく、家電量販店などで実物を見ながらゆっくり選べます。 - 初期費用を抑えられる
とりあえず必要な部屋だけ設置し、将来的に追加することも可能です。
隠蔽配管のメリット・デメリット
デザイン性を重視する方に人気の隠蔽配管ですが、メリットだけでなくデメリットも理解しておく必要があります。
- メリット
- デザイン性が高い
配管が露出しないため、外観・内観が非常にスッキリします。
- デザイン性が高い
- デメリット
- 初期費用が高い
通常の設置工事よりも費用がかかります。 - メンテナンスや交換が大変
故障時に原因の特定が難しかったり、エアコン交換時に壁を壊す必要が出たりする可能性があります。修理・交換費用が高額になるリスクがあります。 - 対応できる業者が限られる
専門的な技術が必要なため、誰でも施工できるわけではありません。
- 初期費用が高い
隠蔽配管を選ぶ際は、将来のメンテナンスリスクも考慮した上で慎重に判断しましょう。
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新築エアコン工事で失敗しない注意点
新築だからこそ気をつけたい、エアコン設置の注意点を4つご紹介します。これを知っておくだけで、後々の「しまった!」を防げます。
エアコン専用コンセントの位置と電圧
エアコンは消費電力が大きいため、専用のコンセントが必要です。
- 電圧の確認
エアコンには100Vと200Vの2種類の電源があります。パワフルな14畳用以上のモデルは200Vが主流です。設置したいエアコンに合わせて、あらかじめハウスメーカーに伝えておきましょう。 - 位置の確認
コンセントの位置がエアコン本体とずれていると、コードが見えてしまい見栄えが悪くなります。設置したいエアコンのサイズを伝え、最適な位置に設置してもらいましょう。家具の配置を考慮することも大切です。
配管用の穴あけ(スリーブ)の要否
後付けする場合でも、建築中に配管用の穴(スリーブ)だけは開けてもらうのがおすすめです。
「先行スリーブ」とも呼ばれ、壁の中に断熱材や柱が入る前に設置することで、建物の気密性・断熱性を損なわずに済みます。後から穴を開けると、重要な柱や筋交いを傷つけてしまうリスクも避けられます。
室外機の設置場所の確保
室外機の設置場所は、意外と見落としがちなポイントです。
- 通気性の確保
室外機の周りに物を置かず、風通しの良い場所を選びましょう。効率が下がり、電気代が高くなる原因になります。 - メンテナンススペース
修理や掃除ができるよう、人が入れるスペースを確保しておきましょう。 - 隣家への配慮
運転音や熱風が隣家の窓や玄関に向かないように配置しましょう。ご近所トラブルを避けるための重要な配慮です。 - 見た目
玄関前や道路からよく見える場所は、できるだけ避けるのがベターです。
効率的な室内機の設置場所の選び方
室内機の設置場所一つで、エアコンの効きや快適性が大きく変わります。
- 部屋全体に風が届く場所
部屋の長辺側の壁に取り付けると、効率よく空気を循環させることができます。 - 直風が当たらない場所
ベッドやソファの真上は避けましょう。体に直接風が当たると、不快に感じたり体調を崩したりする原因になります。 - 窓やドアの近くは避ける
窓やドアの近くは外気の影響を受けやすく、センサーが誤作動して無駄な運転をしてしまうことがあります。
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費用を安く抑えるための具体的な方法
「やっぱり少しでも安く済ませたい!」という方のために、施主支給で費用を抑える具体的な方法をご紹介します。
施主支給を成功させる手順と流れ
施主支給をスムーズに進めるには、段取りが重要です。
- ハウスメーカーへ確認・相談
まず最初に、施主支給が可能かどうか、そして工事のタイミングなどをハウスメーカーに必ず確認しましょう。中には施主支給を認めていない会社や、工事に条件がある場合もあります。 - エアコンの選定・購入
部屋の広さや用途に合ったエアコンを選び、家電量販店やネット通販で購入します。 - 取り付け業者の手配
エアコンの取り付け専門業者を探し、見積もりを取ります。購入した店舗に取り付けを依頼することも可能です。 - 工事日程の調整
ハウスメーカーと取り付け業者の間で、工事の日程を調整します。引き渡し後の場合は、自分の都合に合わせて日程を決めます。
購入先の選び方(量販店vsネット)
家電量販店
- メリット
実物を見て選べる、店員に相談できる、長期保証が付けやすい、ポイント還元がある。 - デメリット
ネット通販に比べて価格が高い場合がある。
ネット通販
- メリット
価格が安い、品揃えが豊富、自宅まで届けてくれる。 - デメリット
実物を確認できない、取り付け業者を別途探す必要がある場合が多い。
保証や相談の手厚さを重視するなら家電量販店、価格を最優先するならネット通販がおすすめです。
複数台まとめ買いによる値引き交渉術
新築では複数台のエアコンを同時に購入することが多いため、値引き交渉のチャンスです。
- 決算期やセール時期を狙う
家電量販店の決算期(3月、9月)やボーナス商戦(夏・冬)は、価格が下がりやすく交渉もしやすい時期です。 - 「複数台購入」を武器に交渉する
「リビングと寝室の2台をまとめて買うので、もう少し安くなりませんか?」といった形で交渉してみましょう。 - 他店の見積もりを提示する
相見積もりを取っておき、「他のお店ではこの値段でした」と提示するのも有効な手段です。
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注文住宅エアコンのよくある失敗事例
最後に、先輩たちのリアルな失敗談から、後悔しないためのポイントを学びましょう。
隠蔽配管の修理・交換で高額費用
「見た目を重視して隠蔽配管にしたけど、10年後にエアコンが故障。修理箇所が壁の中で特定できず、結局壁を壊す大掛かりな工事になり、交換費用が30万円以上かかってしまった…。」
対策: 隠蔽配管にする場合は、将来の交換費用が高額になるリスクを理解し、信頼できる業者に施工してもらうことが重要です。
設置場所が悪く冷暖房の効率が悪い
「リビングのエアコンを、デザイン優先で壁の隅に設置したら、部屋の反対側まで風が届かず、夏は暑く冬は寒い。結局サーキュレーターを買い足すはめに…。」
対策: 見た目だけでなく、部屋全体の空気が効率よく循環する場所を最優先に考えましょう。
外観を損なう配管カバーと室外機
「エアコンの後付け工事を頼んだら、配管カバーの色が外壁と全然合っていなくて悪目立ち。室外機も玄関のすぐ横に置かれてしまい、見るたびにがっかりする。」
対策: 後付け工事でも、化粧カバーの色は事前に指定しましょう。室外機の設置場所も、図面上でしっかり確認しておくことが大切です。
コンセントの電圧・形状が合わない
「ネットで安く買ったエアコンをいざ設置しようとしたら、コンセントの電圧が違って取り付けられなかった。急いで電気工事を追加で頼むことになり、余計な出費がかさんだ。」
対策: 購入したいエアコンが決まったら、その機種に必要なコンセントの電圧(100V/200V)と形状を必ず確認し、ハウスメーカーや工務店に伝えておきましょう。
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注文住宅のエアコンに関するQ&A
長期優良住宅でも後付けできる?
はい、長期優良住宅でもエアコンの後付けは可能です。
ただし、長期優良住宅は高い気密性・断熱性が求められるため、壁に穴を開ける際は注意が必要です。気密処理を適切に行える、経験豊富な業者に依頼することをおすすめします。ハウスメーカーに相談し、信頼できる業者を紹介してもらうのも一つの手です。
おすすめのエアコンメーカーや機種は?
一概に「これが一番」とは言えませんが、主要メーカーにはそれぞれ特徴があります。
- ダイキン
「うるさら」シリーズが有名。空調専門メーカーならではの高い技術力と耐久性に定評があります。 - 三菱電機
「霧ヶ峰」シリーズ。センサー技術に優れ、人のいる場所や体感温度を検知して快適な空調を実現します。 - パナソニック
「エオリア」シリーズ。独自の空気清浄技術「ナノイーX」が人気で、省エネ性能も高いです。
ライフスタイルや重視する機能(省エネ、空気清浄、AI機能など)に合わせて選ぶのが良いでしょう。
何畳用のエアコンを選べばいい?
「〇畳用」という表記はあくまで目安です。最近の注文住宅は断熱性・気密性が高いため、表示畳数よりも少し小さい部屋でも対応できることが多いです。
しかし、リビング階段や吹き抜けがある家、日当たりの良い部屋などは、熱の影響を受けやすいため、実際の部屋の広さよりも少し余裕のある能力の機種を選ぶのがおすすめです。迷った場合は、ハウスメーカーや専門業者に相談しましょう。
内観・外観イメージは具体的にお持ちでしょうか?
まとめ
注文住宅のエアコン設置は、家づくりの満足度を左右する重要なポイントです。最後に、この記事の要点をまとめます。
- 依頼先は2択
「手間なく安心」のハウスメーカーか、「安くて自由」な施主支給か、自分の価値観に合わせて選びましょう。 - 費用は総額で比較
本体価格だけでなく、取り付け工事費や追加費用を含めたトータルの金額で判断することが大切です。 - 設置計画は早めに
コンセントの位置や配管用の穴(スリーブ)など、建築中に決めておくべきことは早めに計画しましょう。 - 失敗事例から学ぶ
設置場所や隠蔽配管のリスクなど、先輩たちの失敗談を参考に、後悔のない選択をしてください。
ハウスメーカーに任せる場合も、施主支給を選ぶ場合も、大切なのは「人任せにしないこと」です。しっかりと情報収集し、ご自身の希望を明確に伝えることで、理想の住まいにふさわしい快適な空調環境が手に入ります。
この記事が、あなたの後悔のない家づくりの一助となれば幸いです。
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