「夢のマイホームとしてマンションを購入したいけど、税金がどれくらいかかるか不安…」「もしかして、固定資産税がかからないマンションなんてあるの?」
マンションの購入を検討していると、物件価格だけでなく、購入後にずっと支払い続ける固定資産税のことが気になりますよね。インターネットで情報を集める中で、「固定資産税がかからないケースがある」といった話を聞き、少しでも負担を減らしたいと思うのは当然のことです。
この記事では、そんなあなたの疑問や不安に専門家の視点からお答えします。
この記事を読めば、マンションの固定資産税がかからないという話の真相から、具体的な税額の目安、誰でも使える軽減措置、そして計算方法まで、すべてを理解できます。正しい知識を身につけて、安心してマンション購入の計画を進めましょう。
この記事の目次
【結論】固定資産税がかからないマンションは無い
まず、皆さんが最も知りたい結論からお伝えします。残念ながら、固定資産税が完全にかからない分譲マンションは、現実的には存在しません。
「そんな…」とがっかりされたかもしれませんが、これには明確な理由があります。なぜ固定資産税がかかるのか、その仕組みと例外について見ていきましょう。
原則すべての不動産に課税される
固定資産税とは、土地や家屋(建物)などの固定資産を所有している人に対して、その資産がある市町村(東京23区の場合は都)が課税する地方税です。
私たちが普段利用している道路や公園、学校、ゴミ収集といった行政サービスは、この固定資産税などの税金によって支えられています。そのため、マンションや戸建てといった不動産を所有している限り、原則として納税の義務が発生するのです。
つまり、マンションを所有しているということは、その地域の行政サービスを受けているということ。その対価として税金を納めるのは、社会の仕組み上、当然のことと言えます。
例外的に非課税になる免税点とは
「原則として」ということは、例外もあるのでしょうか?
はい、実は固定資産税には「免税点」という制度があり、資産の価値が非常に低い場合には課税されないケースがあります。
- 土地
同一市町村内で所有する土地の課税標準額の合計が30万円未満の場合 - 家屋(建物)
同一市町村内で所有する家屋の課税標準額の合計が20万円未満の場合
しかし、マンションのような高額な資産の場合、課税標準額がこの金額を下回ることはまず考えられません。 そのため、マンションを所有している場合に、この免税点が適用されて固定資産税がかからなくなることはない、と理解しておきましょう。
(参考:総務省|地方税制度|固定資産税)
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マンション固定資産税の目安と計算方法
固定資産税がかかることは避けられないと分かったところで、次に気になるのは「じゃあ、一体いくら払うの?」という点ですよね。ここでは、年間の支払額の目安と、ご自身でも計算できる具体的な方法を解説します。
年間支払額の目安は10万~15万円
マンションの固定資産税は、物件の価格、広さ、立地、築年数などによって大きく変わりますが、一般的なファミリータイプのマンションであれば、年間の支払額は10万円~15万円程度がひとつの目安となります。
もちろん、都心部の新築タワーマンションなどではこれより高くなりますし、郊外の築年数が経過したマンションであれば安くなる傾向があります。あくまで平均的な相場として捉えておくと、資金計画を立てる際に役立つでしょう。
固定資産税の計算式と手順
固定資産税は、以下の計算式で算出されます。
固定資産税額 = 固定資産税評価額 × 1.4%(標準税率)
計算には少し専門的な用語が出てきますが、手順を追って見ていけば難しくありません。
- ステップ1:固定資産税評価額を調べる
固定資産税評価額とは、市町村が個別に決定するその不動産の「価値」のことです。毎年送られてくる納税通知書に添付されている「課税明細書」で確認できます。これから購入する場合は、不動産会社に尋ねると概算を教えてもらえます。一般的に、マンションの評価額は購入価格の70%程度が目安とされています。 - ステップ2:課税標準額を計算する
次に、税金を計算する元となる課税標準額を求めます。多くの場合、「固定資産税評価額=課税標準額」となりますが、後述する軽減措置が適用される場合は、評価額よりも低い金額になります。 - ステップ3:税率をかける
最後に、課税標準額に税率をかけて税額を算出します。税率は市町村によって異なる場合がありますが、多くの自治体で標準税率である1.4%が採用されています。
納税通知書が届く時期と支払い方法
固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に対して課税されます。
- 納税通知書が届く時期
毎年4月~6月頃に、市町村から納税通知書が郵送されてきます。 - 支払い時期と方法 支払いは、年4回に分割して納めるのが一般的ですが、第1期の納付期限までに全額をまとめて支払うことも可能です。支払い方法は、自治体によって異なりますが、主に以下のような方法があります。
- 金融機関や郵便局の窓口
- コンビニエンスストア
- 口座振替
- クレジットカード決済
- スマートフォン決済アプリ(PayPay、LINE Payなど)
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固定資産税が安くなる軽減措置
「税金はかかるけど、少しでも安くしたい!」というのが本音ですよね。ご安心ください。住宅用のマンションには、税金の負担を軽くするための様々な軽減措置が用意されています。これらを知っているかどうかで、支払う税額が大きく変わります。
新築マンションの減額措置
新築マンションを購入した場合、建物部分にかかる固定資産税が一定期間、2分の1に減額されます。これは非常に大きなメリットです。
- 減額内容
新築された建物の固定資産税額を2分の1に減額 - 適用期間
- 一般のマンション(3階建て以上の中高層耐火住宅):新築後5年間
- 認定長期優良住宅のマンション:新築後7年間
- 主な適用条件
- 居住部分の床面積が50㎡以上280㎡以下であること
この措置は自動的に適用されることが多いですが、念のため納税通知書で減額が反映されているか確認すると良いでしょう。
中古マンションで適用される特例
中古マンションには新築のような減額措置はありませんが、土地に関する「住宅用地の特例」が適用されるため、税負担が軽減されます。
- 小規模住宅用地(敷地面積200㎡以下の部分)
課税標準額が評価額の6分の1になる - 一般住宅用地(敷地面積200㎡超の部分)
課税標準額が評価額の3分の1になる
マンションの場合、敷地全体の面積を戸数で割った持分が各自の土地となるため、ほとんどのケースで「小規模住宅用地」に該当します。この特例により、土地にかかる固定資産税が大幅に抑えられています。
タワーマンションの税制改正(高層階ほど高い)
タワーマンションの固定資産税は、2017年の税制改正により計算方法が変わりました。
以前は、同じマンション内であればどの階でも専有面積が同じなら税額は同じでした。しかし、実際には高層階ほど分譲価格が高い実態に合わせて、高層階の所有者ほど税負担が重く、低層階の所有者ほど軽くなるように調整されています。
具体的には、1階を基準として、1階上がるごとに税額が約0.26%ずつ加算されていきます。タワーマンションの購入を検討している方は、階数によって固定資産税が変わることを覚えておきましょう。
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不動産取得税の計算と軽減措置
マンション購入時にかかる大きな税金は、固定資産税だけではありません。もう一つ、「不動産取得税」についても知っておく必要があります。
不動産取得税とは?一度だけかかる税金
不動産取得税とは、その名の通り、土地や建物などの不動産を取得(購入、新築、贈与など)した際に、一度だけ都道府県に納める税金です。
毎年支払いが発生する固定資産税とは違い、支払いは購入後の1回きりです。忘れた頃に納税通知書が届くことが多いため、あらかじめ資金計画に組み込んでおきましょう。
不動産取得税の計算方法
不動産取得税の計算式は以下の通りです。
不動産取得税額 = 固定資産税評価額 × 税率
税率は不動産の種類によって異なります。
- 土地・住宅(建物)
3% - 住宅以外の建物(店舗・事務所など)
4%
新築・中古の軽減措置でゼロになる場合も
「また税金が増えるのか…」と心配になったかもしれませんが、不動産取得税にも強力な軽減措置があります。特に居住用のマンションの場合、この軽減措置によって税額がゼロ(かからない)になるケースも少なくありません。
新築マンションの軽減措置
新築マンションの場合、建物の評価額から1,200万円(認定長期優良住宅の場合は1,300万円)が控除されます。
(建物の固定資産税評価額 - 1,200万円) × 3%
例えば、建物の評価額が1,200万円以下であれば、不動産取得税はかかりません。
中古マンションの軽減措置
中古マンションでも、一定の要件(築年数や耐震基準など)を満たせば、新築時に応じた控除額が適用されます。控除額は新築年月日によって異なりますが、最大で1,200万円です。
さらに、土地についても軽減措置があり、以下のいずれか高い方の金額が税額から減額されます。
- 45,000円
- (土地1㎡あたりの評価額 × 1/2)×(課税床面積 × 2)× 3%
計算は少し複雑ですが、多くの居住用マンションで不動産取得税が大幅に軽減される、あるいはゼロになると覚えておきましょう。
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【価格別】税額シミュレーション
では、実際にマンションを購入した場合、税金はいくらになるのでしょうか。新築と中古の具体的なケースでシミュレーションしてみましょう。
※固定資産税評価額は購入価格の70%、税率は1.4%として計算します。
※都市計画税は考慮していません。
新築4000万円のマンションの税金
- 物件情報
- 購入価格:4,000万円
- 内訳:建物3,000万円、土地1,000万円
- 専有面積:70㎡
- 固定資産税評価額(目安)
- 建物:3,000万円 × 70% = 2,100万円
- 土地:1,000万円 × 70% = 700万円
- 固定資産税の計算
- 建物
2,100万円 × 1.4% = 294,000円
新築軽減措置(5年間)適用 → 294,000円 × 1/2 = 147,000円 - 土地
住宅用地の特例適用 → 700万円 × 1/6 = 約116.7万円(課税標準額)
116.7万円 × 1.4% = 約16,300円 - 合計年税額(当初5年間)
147,000円 + 16,300円 = 約163,300円
- 建物
- 不動産取得税の計算
- 建物
(2,100万円 – 1,200万円)× 3% = 270,000円 - 土地
軽減措置により0円になる可能性が高い - 合計
約270,000円
- 建物
中古2500万円のマンションの税金
- 物件情報
- 購入価格:2,500万円(築15年)
- 内訳:建物1,000万円、土地1,500万円
- 専有面積:70㎡
- 固定資産税評価額(目安)
- 建物:1,000万円 × 70% = 700万円(経年劣化でさらに減価)
- 土地:1,500万円 × 70% = 1,050万円
- 固定資産税の計算
- 建物
700万円 × 1.4% = 98,000円 - 土地
住宅用地の特例適用 → 1,050万円 × 1/6 = 175万円(課税標準額)
175万円 × 1.4% = 24,500円 - 合計年税額
98,000円 + 24,500円 = 約122,500円
- 建物
- 不動産取得税の計算
- 建物
(700万円 – 控除額※)× 3%
※築年数に応じた控除額(例:1,000万円)を適用すると、評価額が控除額を下回るため0円になる可能性が高い。 - 土地
軽減措置により0円になる可能性が高い - 合計
0円
- 建物
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マンションと戸建ての固定資産税の違い
マンション購入を検討する際、多くの人が戸建てと比較します。固定資産税の観点では、どちらがお得なのでしょうか。
土地と建物の評価割合の違い
固定資産税は「土地」と「建物」のそれぞれに課税されます。
- マンション
土地の持分が少ないため、資産価値の大部分を建物が占めます。 - 戸建て
土地の面積が広いため、資産価値に占める土地の割合が高くなります。
評価額の下がり方の違い
土地と建物の評価額は、時間と共に変化します。
- 建物
鉄筋コンクリート造のマンションは法定耐用年数が長く、木造の戸建てに比べて評価額が下がりにくいです。 - 土地
景気や周辺環境に左右されますが、価値が下がりにくく、むしろ上昇することもあります。
トータルでどちらが高いか
これらの特徴から、一般的に以下のような傾向があります。
- 新築時~築浅の時期
建物の評価額が高いマンションの方が、固定資産税は高くなる傾向にあります。 - 築年数が経過した後
建物の価値が大きく下がった後も土地の価値が残る戸建ての方が、固定資産税は高止まりする傾向にあります。
長期的な視点で見ると、どちらが必ずしもお得とは言い切れません。ライフプランに合わせて総合的に判断することが重要です。
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マンション固定資産税のよくある質問
最後に、マンションの固定資産税に関するよくある質問にお答えします。
固定資産税はいつからいつまで払う?
固定資産税は、その年の1月1日時点の所有者に納税義務があります。そのため、マンションを購入した翌年から支払いが始まります。そして、そのマンションを所有している限り、支払い続けることになります。
年の途中で売却した場合の固定資産税は?
法律上は、1月1日時点の所有者がその年1年分の税金を納める義務があります。しかし、不動産取引の実務では、物件の引き渡し日を基準に日割り計算し、買主が売主に対して未経過分を支払うのが一般的です。この精算方法は、売買契約書に明記されます。
固定資産税を滞納するとどうなる?
万が一、固定資産税を滞納してしまうと、納期限の翌日から延滞金が発生します。それでも支払わずにいると、督促状が届き、最終的には給与や預貯金、さらには所有しているマンションそのものが差し押さえられ、公売にかけられてしまう可能性があります。必ず期限内に納付するようにしましょう。
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まとめ
今回は、「マンションの固定資産税はかからないのか?」という疑問にお答えするとともに、税金の目安や計算方法、安くするための軽減措置について詳しく解説しました。
最後に、この記事の重要なポイントを振り返りましょう。
- 固定資産税がかからないマンションは、現実的には存在しない。
- 年間の税額目安は10万円~15万円ほどだが、物件によって異なる。
- 税額は「固定資産税評価額 × 1.4%」で計算できる。
- 新築マンションは5年間(または7年間)、税額が2分の1になる強力な軽減措置がある。
- 購入時に一度だけかかる不動産取得税は、軽減措置でゼロになることも多い。
マンション購入は大きな決断ですが、税金に関する正しい知識があれば、漠然とした不安は解消できます。今回ご紹介した軽減措置や計算方法を参考に、しっかりとした資金計画を立て、理想のマンションライフを実現してください。
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