2023.11.29

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防音対策は4つの種類がある!騒音が気にならない物件、家を建てる時のポイントは?

住宅において、近隣とのトラブルになりやすい問題のひとつが「騒音」です。

騒音トラブルというと、マンションなどの集合住宅を思い浮かべがちですよね。

でも実は、住宅密集地に建つ戸建て住宅でも起こりうる問題なのです。

今回は、建売住宅を購入する方やこれから注文住宅を建てる方に向けて、意識しておきたい防音対策についてご紹介します。

防音すべき生活で発生する騒音3種類

騒音にはさまざまな種類がありますが、住宅において気になる音は「生活音」と「ペットの鳴き声や足音」「楽器の音」の3つが挙げられます。

生活音

日々暮らしていく上でどうしても出てしまう音が「生活音」です。

掃除機や洗濯機、ドライヤーなど大きな音の出る生活家電の使用は生活音のひとつ。

冷蔵庫や部屋のドアの開閉も騒音となる可能性があるため、とくに深夜の時間帯は注意しましょう。

また、小さなお子さんがいるご家庭では、子どもが走り回ったり大きな声を出したりすることが、近隣トラブルに繋がることも少なくありません。

ペット

犬や猫などのペットから発せられる音も騒音になります。

小型犬や猫の高い鳴き声は隣家に伝わりやすく、中型犬や大型犬は(高い声ではないものの)鳴き声自体が大きく、足音も響きやすいので騒音になりがちです。

ペットを飼っている、またはこれから飼われる際には、あらかじめ近隣住民に挨拶しておきトラブルを未然に防ぎましょう。

楽器

屋内外に関わらず、自宅で楽器を演奏するときには細心の注意が必要です。

楽器の種類にもよりますが、一般家庭によくあるピアノなどは室内で演奏していても外部に音が漏れやすく、それを騒音と捉える方もいます。

家で楽器を演奏する際は、迷惑になりにくい時間帯を選ぶなど、周辺へ配慮しましょう。

また、部屋の壁に防音材を張ったり、二重窓にしたり、出入口のドアを防音タイプにしたりするなどの対策も考えたいところです。

防音すべき音の2つの種類

音の伝わり方には「固体伝搬音」と「空気伝搬音」の2種類があり、それぞれの音への防音方法が異なります。

ここではこの2種類の音の特徴について解説します。

固体伝搬音

固体伝搬音(こたいでんぱんおん)は、「固体音」とも表記され、建物に力や衝撃が与えられたときに、振動が建物内を伝搬し、伝搬した先で空気中に放射される音のことをいいます。

固体伝搬音の代表的な振動源は、歩行やドアの開閉、物の落下、エレベーターなどの機器の稼働、電車の走行などがあります。

また、固体伝搬音は音の軽減が難しい音です。

固体伝搬音は音の密度が高く、(後述する)空気伝搬音とは違って、遠く離れていても音が小さくなりにくい性質を持っています。

防音対策としては、防音・防振マットなどで音の振動の伝搬を絶縁させたり、吸音材などを使用し、衝撃力を吸収したりする方法があります。

空気伝搬音

空気伝搬音(くうきでんぱんおん)は、「空気音」と表記されることもあり、同じ空間の中で音源から伝搬した音や、界壁や窓などを直接透過して伝搬する音を指します。

音源からの距離が遠くなるほど音が小さくなる性質(距離減衰)や、防音壁などの上部から音が回り込みながら小さくなる性質(回析減衰)を持っています。

高速道路の防音壁は、この回析減衰の性質を利用しています。

固体伝搬音よりも対策がとりやすく、遮音材などの使用で音の軽減が可能です。

防音の考え方4種類

一口に「防音」といっても、その方法はいろいろあります。

よく耳にする「吸音」や「遮音」の他に、「防振」「制振」などすべてを称して「防音」と呼びます。

ここではそれぞれの役割について解説します。

吸音

「吸音」とは、音を反射させずに吸い取る防音方法です。

空気の動きに対する抵抗により、その振動を減衰させて音を小さくします。

後述する「遮音」とは真逆で、音を抜けさせて反射させないようにするのが吸音です。

反射を防ぐ「吸音率」の数値が大きいほど、吸音性が高いことを示します。

遮音

「遮音」とは、空気中に伝わる音を遮断して、外へ音が透過しないようにする防音方法です。

音を遮って反射させて音を通さないようにするもので、音の抜けが少ないほど高い遮音性を有しています。

遮音材が有効となる空間は、オフィスやピアノ室、スタジオ、工場内などが挙げられ、近隣への音漏れ防止にも効果的です。

防振

「防振」とは、その名の通り振動を防いで防音する方法です。

マンションなどの集合住宅で、壁や床において日常的に発生する振動を、左右・上下の隣接する部屋へ伝わらないようにするやり方で、主に固体伝搬音への対策として用いられます。

防振材はやわらかいものが多く、クッション材の役割を担っており、衝突する際の力を和らげて音を防ぎます。

制振

「制振」とは、音の振動をできるだけ短時間に制御して、音の発生を防ぐこと。

たとえば、トライアングルを鳴らしたときに手で押さえて音が止む現象は、制振によるものです。

振動している機械(洗濯機など)や壁面に揺れを制御するものを取り付け、その振動を熱エネルギーに変換・発散し、減衰させて防音するもので、防振と同じく固体伝搬音への対策として用いられます。

そもそも防音対策をしなくても良いようにするための5つのポイント

ここからは、住まいにおいて騒音トラブルを起こさないためのポイントについてご紹介します。

生活習慣を見直す

普段の生活から、防音につながる習慣を身につけることも大切です。

【夜間の生活家電の使用は控える】
住宅密集地では、生活音が隣家に伝わりやすい傾向があります。

掃除機や洗濯機など大きな音の出る生活家電は、夜間の使用を控え、できるだけ日中に稼働させるのが良いでしょう。

音が気になる場合は、洗濯機本体に防音シートを貼ったり、床面に防振マットを敷いたりするなどの対策がおすすめです。

【足音などの生活音に注意する】
普段から足音に注意した生活をしたいものですが、小さいお子さんがいるご家庭ではなかなか難しいものですよね。

生活音を最小限にするには、床にカーペットや防音マットを敷くのが効果的です。

マットやカーペットが衝撃を吸収し、騒音を軽減してくれます。

テレビや楽器などのオーディオ機器の配置に注意する

オーディオ機器などの音の出るものは、隣家に近い壁際を避けて設置しましょう。

なるべく壁から離し、床には専用の防音マットを敷いて対策します。

吸音効果を高めるには、床にカーペット、窓に厚手の防音カーテンを掛けるのがおすすめです。

床・壁・天井を二重構造にする

より効果的な防音対策は、床や壁、天井などの内装を二重構造にすることです。

【床の二重構造】
構造体であるコンクリートに支持脚(束)を用いて空間を設け、二重にする工法です。

床下への音の振動による伝搬が減り、遮音効果が高まります。

床下に給排水管や電気配線などを設置できるので、設備配管類のメンテナンスがしやすくなるメリットもあります。

【壁の二重構造】
鉄筋コンクリート造(RC造)の建物において、戸境壁(こざかいかべ)の室内側に石膏ボードなどを張り、その表面に内装用のクロスを貼って仕上げる工法のことを指します。

壁の二重構造により、話し声やテレビの音などの空気伝搬する生活音の遮断効果が高まります。

ただし、躯体壁に直接ボンドなどの接着剤で石膏ボードを張る「GL工法」だと、空気層が薄いので振動が伝わりやすく、遮音効果が期待できないため注意が必要です。

壁を二重構造にする際には、軽量鉄骨(LGS)や木材による下地を組み、断熱材を入れて石膏ボードを貼ることで遮音効果が発揮されます。

【天井の二重構造】

天井における二重構造は、上階の床となるコンクリートスラブの下にボルトで吊った木材や軽量鉄骨(LGS)で下地を組み、石膏ボードを張って仕上げたものを指します。

上階への遮音効果が高まるので、マンションなどの集合住宅に適した工法です。

換気用ダクトなどを天井裏に隠せて、見た目がスッキリする利点もあります。

窓のサイズや位置、種類に注意する

窓は大きいほど外部からの音が伝わりやすくなるため、サイズ感に注意しましょう。

また、音の伝搬を弱めるため、窓の位置は隣家や道路からなるべく離して設置すると防音対策になります。

ほかにも、二重サッシ(内窓)の設置がおすすめです。

一般的な窓の室内側に新たに窓を取り付けることで、窓と窓の間に中間空気層が生まれ、室内に入る音の量を減らしてくれます。

換気口の位置を確認する

意外と見落としがちなのが、換気口からの音の侵入です。

基本的に音は空気が流れるところから伝わってくるため、キッチンの換気扇やトイレの排気口などは音の出入りが多い場所といえます。

換気口の位置は、家が完成した後に変更するのは難しいため、計画段階であらかじめ位置を確認しておきましょう。

リフォームの際は、防音フードの設置や、換気口の内部に取り付ける「サイレンサー」を使用する方法があります。

防音対策において、騒音が気にならない物件の5つのポイント

建売住宅の購入を検討する際には、騒音が気にならない物件を選びたいですよね。

ここでは、防音面での確認すべきポイントについてご紹介します。

建築構造

住宅の建築構造のほとんどは、「鉄筋コンクリート造(RC造)」「鉄骨造(S造)」「木造(W造)」の3つに分類されます。

この3つの中で、特に防音性が高いのが「鉄筋コンクリート造(RC造)」です。

鉄筋コンクリート造は鉄の骨組みにコンクリートを流し込んで造られており、壁の密度が高く隙間ができにくいため、とりわけ「遮音性」に優れています。

鉄骨造(S造)や木造(W造)は、鉄筋コンクリート造に比べて音を通しやすい構造なので、防音にこだわりのある方はRC造をおすすめします。

物件の立地

建売住宅そのものの防音性能も重要ですが、建物が建っている周辺環境についても確認しておくことが大切です。

たとえば、線路近くの物件だと、頻繁に電車が通るためテレビの音や話し声が聞き取りづらいことがあります。

人が多く出入りする商業施設や、学校、幼稚園、保育所なども、人によっては騒音に感じることも。

音の感じ方は人それぞれなので、どこまでが許容できるのか確かめておくと良いでしょう。

部屋のレイアウト

戸建て住宅では、隣家の位置や距離感を考慮した間取りが求められます。

たとえば、隣家からの音が気にならないよう、寝室を離してレイアウトしたり、窓と窓の位置が重ならないようにしたり。

こういった工夫は、防音対策としてだけでなく、防犯面でも役に立ちます。

壁の確認

建売住宅などの内覧時には、壁の状態を確認してみましょう。

前述しましたが、建物は「木造(W造)」「鉄骨造(S造)」「鉄筋コンクリート造(RC造)」の順で防音効果が高まります。

建売住宅を内覧する際には、その建物の構造についてあらかじめ担当者に聞いておきましょう。

また、実際に壁を軽く叩いてみて状態をチェックするのもおすすめです。

コンクリート壁の場合、壁を叩くとドンドンと固く詰まったような音がします。

対して、石膏ボード(プラスターボード)の場合は、内部に断熱材(防音材)があまり入っていない壁だと、叩くとコンコンと軽い音が響きます。

周辺環境の確認

音の問題は、実際に住んでみないとなかなか実感できないものです。

家を建てる前に、周辺環境についてできるだけ調べておくことをおすすめします。

● 近くに騒音を発するような施設はないか(線路や空港など)
● 近隣住民のマナーはどうか

曜日や時間帯を変えて確認してみると良いですね。

家を建てる時に気をつけたい防音対策

家を建てるときにはさまざま防音対策を意識する必要がありますが、ここでは基本的な2つのポイントについてご紹介します。

道路や近隣住宅から離して建てる

車の行き交う音や隣家の生活音など、音の発信源に近い位置に家を建ててしまうと、必然的に音がよく伝わってきてしまいます。

土地探しの段階から、近隣の家や道路との距離も視野に入れて計画することが重要です。

家を建てる際は可能な限り道路や隣家から離し、音が伝わりにくい環境をつくりましょう。

防音対策をする場所のメリハリをつけてコストを抑える

家全体にくまなく防音対策ができれば理想的ですが、実際は予算の都合で難しいケースも多いですよね。

家を効果的に防音するには、優先順位をつけて音が伝わりやすい場所を重点的に対策するのが得策です。

たとえば、道路側の窓だけ二重窓にしたり、隣家に面した部分の換気口だけ(上記で解説した)サイレンサーを取り付けたり。

コストを抑えつつ、音に悩まされない快適な暮らしを手に入れましょう。

家づくりのご相談は”ロゴスホーム”へ

家の防音対策についてのご相談は、ぜひロゴスホームにお気軽にお問合せください。

こだわり1:高品質であること

ロゴスホームでは直接施工にこだわり、耐震性の高い工法を用いて、高性能な住宅をご提供いたします。

こだわり2:適正価格であること

ロゴスホームでは、値引きは一切いたしません。

すべてのお客様に、可能な限り価格を抑えて良いものをご提供できるよう、透明性の高い料金システムでの家づくりに取り組んでいます。

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専門性の高い部門別のスタッフによる「チーム制」の導入や、定期的なアフターメンテナンスなど、お客様に寄り添い「幸せな暮らし」を一緒につくるパートナーを目指しています。

お問い合わせはこちら▶ロゴスホーム

まとめ

今回は住宅の防音対策についてご紹介しました。

家を建てる際には間取りやデザインだけでなく、防音などの性能についてもよく考慮して設計することが大切。

外部からの騒音を侵入させないのはもちろんですが、近隣の方たちと末永く良好な関係を築いていくためにも、自分たちの家が騒音の原因とならないような工夫がとても重要です。

ぜひ防音対策にもこだわって、快適な住まいを手に入れてくださいね。

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ロゴスホームのスタッフです

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