2023.11.28

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プラスターボードとは?メリット・デメリットや、種類、注意点などを一気に紹介|

プラスターボードは、新築住宅やリフォームで幅広く使用されている建材です。
どのような役割があるのか、気になる方も多いでしょう。
今回は、プラスターボードの役割やメリットやデメリット、種類について解説します。
知っておきたい注意点も紹介しますので、ぜひお役立てください。

プラスターボードとは?

プラスターボード(PB)とは、板状に固めた石膏の両面を、難燃処理をした紙で覆った建築材料です。
住宅の壁や天井などの下地材として幅広く使用されています。間柱にビスで固定したあと、上に塗装やクロス張りをして仕上げます。

プラスターボードの厚みやサイズには多くの種類がありますが、一般的な厚さは9.5mm、12.5mm、15mmの3種類です。
基本的には厚みが増すほど、耐久性が高くなる傾向にあります。
標準タイプのプラスターボードに備わっている耐火性や遮音性、加工性などの性能を、さらに強化させたタイプも多く流通しています。

耐水性のあるタイプや耐震性を強化したタイプなど、さまざまな種類があり、設置場所の用途に合わせて選べます。

プラスターボードのメリット

家づくりに欠かせない材料であるプラスターボードには、次の4つのメリットがあります。

● 安価で建築コストを抑えられる
● 燃えにくい
● 音を通しにくい
● 施工しやすい

ひとつずつ解説します。

安価で建築コストを抑えられる

プラスターボードは、安価で入手しやすい点が特長です。
たとえば、一般的な1,820mm×910mm×9.5mmサイズの単価は、500円程度です。
ホームセンターやネットショップでも販売されているので、簡単に購入できます。
プラスターボードは壁や天井などに広範囲にわたって使用するため、単価が安価である分、全体の建築コストを安く抑えられます。

燃えにくい

プラスターボードには、防火性や耐火性があります。
これは、芯材の石膏に含まれている結晶水が、高温にさらされると水蒸気になるためです。
少しずつ水蒸気を放出することで、火の温度上昇を抑えて延焼を防ぐ働きをします。

プラスターボードは、厚みが増すほど水分量が多くなり、燃えにくくなる素材です。
厚みや種類によっては、不燃材料や準不燃材料といった防火材料の認定を受けているものもあります。
不燃材料とは通常の火災時に20分間燃えない材料、準不燃材料とは10分間燃えない材料です。
プラスターボードが防火材料として認定される要件は、建築基準法や同法施行令によって、次のとおり定められています。

厚さ 認定 条件
12mm以上 不燃材料 20分間燃えない材料
9mm以上 準不燃材料 10分間燃えない材料

参照:国土交通省「不燃材料を定める件 」「準不燃材料を定める件 

音を通しにくい

音を通しにくい性能がある点も、プラスターボードの強みです。
厚みのあるタイプを使用したり、複数枚を重ねたりすれば、さらに遮音性を高められます。
マンションの住戸間や病院、宿泊施設の壁など、音を遮断したい空間で使用されています。
空気で伝わる音は遮断しやすい一方で、物の振動によって伝わる音は防ぎにくい傾向があります。
吸音材と併用するなどの工夫が必要です。

施工しやすい

プラスターボードは、施工しやすい素材です。
特殊な工具は不要で、一般的なカッターでも容易に切断できるので、DIYでも重宝されています。
釘やビス、接着剤での固定も簡単です。

温度や湿度の影響でほとんど変形しないため、施工後に反りにくく目地にすき間が生じにくいといった点も、施工しやすい理由のひとつといえます。
プラスターボードを切断するときは石膏の粉が舞うので、マスクやゴーグルを着用するとよいでしょう。

プラスターボードのデメリット

プラスターボードのデメリットは、次の3つです。

● 水や湿気に弱い
● 点の衝撃に弱い
● ネジや釘が打ちにくい

順に見ていきましょう。

水や湿気に弱い

プラスターボードは水や湿気に弱く、水分を含むと強度が下がってしまいます。
耐水性が低いため、キッチンや洗面所、浴室などの水がかかりやすい場所や湿気の多い場所には不向きです。

湿度の高い場所で使用すると、カビが発生するおそれもあります。
雨漏りでぬれてしまったときは、張り替えが必要になるケースもあるので、十分注意しましょう。
一般的に、水回りには耐水性や防水性が強化された「シージング石膏ボード」が選ばれます。

点の衝撃に弱い

プラスターボードは、地震や台風など面の衝撃には強い一方で、点の衝撃に弱い性質があります。
鋭い形の物があたると、たやすく欠けたり穴が開いたりします。
家具を移動しているときや、子どもが遊んでいるときに、家具の角やおもちゃなどがぶつかって穴が開いてしまうケースは少なくありません。
広い範囲が破損してしまった場合は、補修や張り替えが必要です。
衝撃を加えないよう、取り扱いに注意しましょう。

ネジや釘が打ちにくい

プラスターボード自体にはネジや釘を保持する力がなく、時計や棚を設置しようとしても、打ち込んだネジがゆるんだり、抜けてしまったりします。
ネジや釘を十分に固定させるには、プラスターボードと間柱が重なっている部分に打つ必要があります。

石膏ボード専用の「ボードアンカー」を活用するのもよいでしょう。
ボードアンカーとは、直接ネジを打ち込めない素材に部品を取り付けたいときに使うネジ用の下地です。
ボードアンカーを使うと、プラスターボードの裏側からもネジを支えられるので、しっかり固定できます。

プラスターボードの種類と活用方法一覧

プラスターボードには、さまざまな性能を持った種類があります。

名称 標準タイプに加わった性能
石膏ボード 標準タイプ
普通硬質石膏ボード 強度・耐衝撃性
シージング石膏ボード 耐水性
強化石膏ボード 耐火性・防火性
構造用石膏ボード 耐火性・耐震性
石膏ラスボード 塗壁の下地材としての施工性
化粧石膏ボード 仕上げ加工
不燃積層石膏ボード 不燃性・軽量化
吸放湿石膏ボード 吸放湿性
吸音用あなあき石膏ボード 吸音性

プラスターボードの種類や活用方法について、ひとつずつ解説します。

石膏ボード(GB-R)

板状にした石膏の両面を紙で覆った最もスタンダードなタイプで、「普通ボード」とも呼ばれます。
住宅や学校などの壁・天井の下地材として、幅広く使われています。
サイズは、910mm×1,820mmが一般的です。

厚みは9.5mm、12.5mm、15mmの3規格があり、厚さ12.5mmタイプは不燃材料、9.5mmタイプは準不燃材料に認定されます。
全国のホームセンターでも販売されているので、簡単に入手できます。

普通硬質石膏ボード(GB-R-H)

標準タイプの石膏ボードを硬くして、強度を高めたプラスターボードです。
耐衝撃性は、このあと解説する強化石膏ボードの約1.2倍以上、曲げるとき耐えられる強度は標準タイプの石膏ボードの約1.3倍以上と、高い強度を備えています。
硬い性質を活かして、学校の教室や廊下の壁、体育館の内壁、階段の腰壁など、強度を求められる場所などの下地材に使われています。
厚さのバリエーションは、9.5mm、12.5mm、15mmの3規格です。

シージング石膏ボード(GB-S)

シージング石膏ボードは、芯材の石膏と両面の紙に、防水加工を施したプラスターボードです。
標準タイプのデメリットである耐水性の低さをカバーしており、「防水ボード」「耐水ボード」とも呼ばれています。
カビの発生を抑えられる点も特長です。

温度や湿度による変形が少ないので、キッチンや洗面所の壁・天井の下地材のほか、外壁や屋根の下地材としても使用されています。
厚さは、9.5mm、12.5mm、15mm、16mmの4規格があります。

強化石膏ボード(GB-F)

標準タイプの石膏ボードより、さらに高い耐火性・防火性を備えたタイプのプラスターボードです。
芯材の部分に、不燃性のあるガラス繊維などを加えて耐火性能を上げており、「強化プラスターボード」とも呼ばれています。

優れた耐火性があることから、大型建築物で建築基準法に定められた防火区画を構成する耐火壁構造や天井などに使用されています。
耐衝撃性が高い点も魅力です。
厚さは、12.5mm、15mm、16mm、18mm、21mm、25mmの6規格があります。

構造用石膏ボード(GB-St-A・B)

強化石膏ボードの耐火性能などは保持したまま、耐震性をさらに向上させたタイプです。
強度によって、A種とB種の2種類に分けられています。
胴縁や間柱にボードを打ち付けた状態で、外力に抵抗する力の強さが標準の石膏ボードの3倍であるものをA種(GB-St-A)、2倍であるものをB種(GB-St-B)としています。

木造住宅のツーバイフォーや軸組工法などで耐力壁として用いられており、耐震性能を向上させたいときに選ばれる建材のひとつです。
厚みは、A種B種ともに12.5mmが主流です。

石膏ラスボード(GB-L)

石膏ラスボードは、塗壁の下地材として用いられるプラスターボードです。
漆喰や珪藻土などの左官材料が塗りやすいよう、表面に長方形の小さいくぼみが施されており、平滑な表面に仕上げられます。

石膏プラスターを塗ったあとに左官材料を上塗りすると、防火性能を向上させられるほか、乾燥時の収縮を防いでヒビ割れが生じにくくなります。
大板なので、継ぎ目が少なく、施工しやすい点も特長のひとつです。
住宅の和室で、漆喰壁や京壁などの伝統的な日本壁を仕上げる際に多く使用されています。
厚みは、7mm、9.5mm、12.5mmがあります。

化粧石膏ボード(GB-D)

化粧石膏ボードとは、仕上げ加工が施されたプラスターボードです。
標準タイプの石膏ボードは、仕上げに塗装やクロス張りをしなければなりませんが、化粧石膏ボードは仕上げ加工済みであるため、施工工程が少なく済みます。

あらかじめ化粧加工した紙やプラスチックシートを貼り合わせたタイプ、塗装されたタイプ、型押し加工されたタイプなどがあります。

色彩やデザイン、サイズが豊富で、和室・洋室どちらの壁や天井にも使いやすいのが特長です。
押入れやクローゼットの内装で重宝されています。
新築住宅だけでなく、リフォームでクロスを張り替える代わりにアクセントとして用いられるケースもあります。
厚みは、9.5mm、12.5mm、15mmの3規格です。

不燃積層石膏ボード(GB-NC)

標準タイプの石膏ボードの表面と裏面に、不燃性の原紙を使用したプラスターボードです。
標準タイプが厚み12.5mmで不燃材料として認定されるのに対し、不燃積層石膏ボードは、厚さ9.5mmで不燃材料として認定されます。
厚みが薄くなった分、軽量化され、施工しやすい点もメリットのひとつです。

不燃積層石膏ボードには、仕上げ加工がされたタイプと、されていないタイプがあります。
仕上げ加工がされたタイプは、軽量で不燃材料としての性能もあるため、天井直貼りの仕上げ材に使われます。
仕上げ工程が省略できるので、工期が短くなり、コストも抑えられるでしょう。
不燃積層ボードは、内装制限によって不燃材料が求められる場所の壁や天井で多く使われています。

吸放湿石膏ボード(-Hc)

標準タイプの石膏ボードや化粧石膏ボードの性能に加えて、約3倍の吸放湿性能を備えたプラスターボードです。
吸放湿性能とは、湿度が高い環境では水分を吸収し、乾燥した環境では水分を放出して室内の湿度を一定にコントロールする性能です。
快適な湿度に保たれるので、過度の乾燥や結露・カビの発生を防げます。

吸放湿石膏ボードは、住宅の中でも湿度が高くなりやすい押入れやクローゼットの壁・天井の下地に適しています。
高温多湿の日本では、欠かせない建材のひとつです。
厚さは、9.5mm、12.5mmの2規格があります。

吸音用あなあき石膏ボード(GB-P)

標準タイプの石膏ボードに、直径5~15mm程度の吸音用のあなを開けたプラスターボードです。
音があなを通るときに、あなの周りで摩擦が発生して音が熱エネルギーに変換されます。
あなからボード背面の空気層へ通過するときに、音が吸収される仕組みです。

吸音性能を備えることによって、反射音による残響が小さくなり会話が聞き取りやすくなります。
学校の教室やオフィスの会議室の天井などで、幅広く使用されています。
厚さは、9.5mm、12.5mmの2規格です。

プラスターボードの注意点

プラスターボードを利用する際は、次の5つに注意しましょう。

重量物の取り付けには補強材を追加する

プラスターボード自体には、ネジや重量物に耐える力がありません。
プラスターボードを設置した壁にテレビなどの重さがある物を取り付けるときは、背面に間柱がある部分を選んでネジを打ち込むか、下地や補強板を追加しましょう。

家具の配置に配慮する

プラスターボードは点の衝撃で破損しやすい素材です。
衝撃を与えやすい場所は避けるなど、家具の配置に配慮しましょう。
大きい穴が開いてしまった箇所を補修するには、部分的にプラスターボードを張り替えなければなりません。
家具や家電が壁にあたらないよう注意しましょう。

水回りでは換気する

プラスターボードのデメリットのひとつに、耐水性の低さがあります。
湿気の多い場所で使用すると、結露やカビの発生につながります。
水回りでは換気や除湿をして、耐水性や吸放湿性のあるタイプを選ぶのがよいでしょう。

産業廃棄物として業者に処分を依頼する

プラスターボードを廃棄したいときは、必ず専門業者に処分を依頼しましょう。
プラスターボードは法令で産業廃棄物に定められており、一般ゴミとして処分できません。
プラスターボードを埋め立てると、人体に悪影響を及ぼす物質が発生する可能性があるためです。
基本的に、個人事業主や法人であれば処理場へ持ち込めますが、個人での持ち込みは認められていません。
DIYなどでプラスターボードを廃棄したいときは、「産業廃棄物処分業許可」を取得している業者に処分を依頼しましょう。

アスベストを含む場合の解体は専門業者に依頼する

建て替え工事や改修工事でアスベストを含むプラスターボードを解体するときは、アスベストが空気中に飛散しないよう、専門業者に依頼するなど適切に対応しなければなりません。
1970年から1986年までに製造されたプラスターボードの一部には、アスベストを含む製品があります。含有している可能性がある場合は注意しましょう。
なお、アスベストを含有していても、一般的な使用下ではアスベストが空気中に飛散するおそれはないとされています。

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まとめ

プラスターボードとは、板状に固めた石膏の両面を紙で覆った建築材料です。
安価で施工しやすく、耐火性や遮音性があるので、住宅の壁や天井の下地材として幅広く使用されています。
さまざまな機能を加えたタイプが販売されており、設置場所の用途に応じて選べます。
ただし、プラスターボードは強度が低いため、テレビなどの重量物を取り付ける際は補強材を追加しましょう。

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この記事を書いた人

LOGOS HOME

ロゴスホームのスタッフです

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