家を買うタイミングは人それぞれ。「必ずこのタイミングに買ったほうが良い」という基準はありません。
そうとは言え、人生で最高額の買い物になる可能性がある以上、自分や家族にとって最も適切と思えるタイミングで買いたい、と思うのは当然。ここでは、家を買うタイミングを思案中の方に向け、多くの方が家を買うきっかけとなった6つのタイミングをご紹介しています。
【タイミング①】自分の年齢
家を買うタイミングとして、まずは「自分の年齢」から見ていきましょう。
国土交通省が公表している「令和元年度 住宅市場動向調査報告書~調査結果の概要~」によると、住宅を購入した方の中で特に多い年代が30代後半から40代前半。多くの銀行では、住宅ローンの返済最長期間を35年、完済上限年齢を80歳としていますが、この条件から逆算して30代後半、遅くとも45歳までに家を買う人が多いようです。
※参考:令和元年度 住宅市場動向調査報告書~調査結果の概要~|国土交通省住宅局
【タイミング②】ライフイベント
何らかのライフイベントをきっかけに家を買う人も多くいます。例えば、次に挙げるようなライフイベントのタイミングです。
結婚
結婚のタイミングで家を購入する夫婦は、非常に多いようです。新生活を新しい自分たちの家でスタートさせたい、という気持ちはよく理解できます。
夫婦でペアローンを組むこともできるので、結婚は家を買う適切なタイミング・きっかけと言って良いでしょう。
妊娠・出産
妊娠・出産をきっかけに家を買う人もいます。
お子様の学区、家族が住みやすくて安全な環境などを考慮しながら場所選びができるので、家を買うタイミングとしては適切でしょう。
昇給・昇格
昇給・昇格して年収アップが期待できれば、金融機関からの信用も上がり、住宅ローンの審査にも通りやすくなります。家を買うタイミングの1つになるでしょう。
子供の進学
お子様が遠方の私立小学・中学などへ進学が決まった際、お子様が学校へ通学しやすい場所に家を建てる方もいます。
一般的に私立学校のあるエリアは治安が良く人気なので、購入した家の資産価値は下がりにくいかもしれません。
子供の独立
子供が独立し、それまでの家に余分な空間が生まれた際、よりコンパクトで実用的な家を購入する方もいます。
年齢的には、老後生活も視野に入れた物件が好ましいでしょう(平屋、バリアフリー物件など)
定年退職
定年退職をきっかけにライフスタイルをガラリと変えるべく、新たに家を購入する方もいます。
退職金を含め、ある程度の貯蓄がある世代なので、大きな住宅ローンを組む必要がないかもしれません。
親との同居
高齢の親が一人暮らしになったタイミングなどで、親との同居を前提に伏せたい住宅を買う方も少なくありません。
親を見守りながら生活できるため、お子様世帯も安心して日常を過ごせるでしょう。親が住みやすいようバリアフリー設計などを考慮する必要があります。
【タイミング③】世帯年収
年収を基準に家を買うタイミングを検討する方もいます。
国土交通省が公表している「令和元年度 住宅市場動向調査報告書~調査結果の概要~」によると、はじめて家を買った世帯の平均世帯年収は、注文住宅の場合が744万円、分譲マンションの場合が798万円、建売戸建て住宅の場合が688万円。地域によって住宅価格の総額は大きく異なるため(主に地価の違いによる)、一概に「年収○万円以上なら家を買える」とは言えませんが、1つの目安としては、年収700万円前後が家を買うタイミングとなるかもしれません。
ご注意いただきたい点は、「世帯年収」が700万円ということ。例えば、ご主人が450万円で奥様が250万円の年収なら、合算して世帯年収700万円になります。
※参考:令和元年度 住宅市場動向調査報告書~調査結果の概要~|国土交通省住宅局
【タイミング④】家族構成・人数
国土交通省が公表している「令和元年度 住宅市場動向調査報告書~調査結果の概要~」によると、1世帯あたりの平均入居人数として最も多い人数が次の通りとなっています。
- 注文住宅・建売住宅…4人
- 分譲マンション・中古戸建て住宅…3人
- 中古マンション…2~3人
もちろん、注文住宅で一人暮らしをしている方もいれば、中古マンションに家族5人で住んでいる世帯もありますが、大きな傾向としては上記の通りです。
家族構成・人数を基準に家の購入を検討する場合には、家族が3人程度になったタイミングを1つの節目と考えると良いでしょう。
※参考:令和元年度 住宅市場動向調査報告書~調査結果の概要~|国土交通省住宅局
【タイミング⑤】子供の年齢
アルヒ株式会社の「ARUHIマガジン」が行ったアンケート調査によると、既婚で子供がいる世帯の約33%が「子供が乳幼児のタイミングで家を建てた」と回答し、約23%が「子供を妊娠しているタイミングで家を建てた」と回答しています。既婚・子供のいる世帯のうち、実に55%もの人が出産前後に家を建てているということになります。
お子様が生まれると、友達やママ友などとのつながりが徐々に深まっていくため、特別な理由なく引っ越すのは難しくなるもの。お子様と周囲との関係が深くならないうちに、より子育てのしやすい環境に家を建てたいと考える方は多いようです。
※参考:“住宅購入のタイミング”を調査!そのときの「子どもの年齢」はいくつだった?|アルヒ株式会社「ARUHIマガジン」
【タイミング⑥】貯蓄額
株式会社エイチーム「PRTIMES」のアンケート調査によると、4人に1人の方が「貯金額1500万円」を超えてから家を購入しているとのこと。貯金の全額を住宅資金に回すのはリスクが大きいため、多くの方は1500万円のうち1000万円ほどを頭金とし、残り500万円を貯蓄として残しているようです。
なお、国土交通省が公表している「令和元年度 住宅市場動向調査報告書~調査結果の概要~」によると、家を買う際の自己資金額は物件種別に応じて713万~1261万円となっていますが、いずれの価格帯でも手元の貯蓄額が500万円ほど残るタイミングを家の購入時期と考えている人が多いようです。
※参考:すまいうるが、家の売却実態を調査!4人に1人が貯金を1,500万円以上貯めてから家を購入したいと考えている!|株式会社エイチーム「PRTIMES」
※参考:令和元年度 住宅市場動向調査報告書~調査結果の概要~|国土交通省住宅局
【参考】家を買うタイミングではない人
家を買うきっかけとなる主なタイミングをご紹介しましたが、以下では参考までに、家を買うタイミングではない人についても見ていきましょう。
家を買いたいという強い動機が湧いていないタイミング
大前提となりますが、家を買いたいという強い動機がないにもかかわらず、無理に家を買うことを検討する必要はありません。
同僚や友人が家を建ててホームパーティーなどに招かれると、つい家持ちに憧れることもありますが、家は一生に何度とない大きな買い物なので、安易に周りの雰囲気に流されないようにしましょう。
賃貸物件での生活に満足しているタイミング
現状の賃貸物件での生活に満足しているならば、すぐに家の購入を検討する必要はないでしょう。
もとより、一生に一度も家を買わず、最後まで賃貸物件で生活している方は少なくありません。「いつかは必ず家を買う」という考え方にこだわりすぎず、自分の考え方やライフスタイルを第一に考えましょう。
周囲を見渡してみればわかるかもしれませんが、一生涯賃貸物件で生活しても、何ら地域で浮いてしまうようなことはありません。
家の購入で生活上のリスクを負いたくないと考えているタイミング
家の購入には大きな資金を必要とします。一般的には、銀行から数千万円単位の住宅ローンを借りる形となるでしょう。
住宅ローンを借りれば、以後は何十年に渡り返済を続けなければなりません。返済中の何十年という間に、返済不能となる何らかのアクシデントが発生する可能性もあるでしょう。
様々な事態を想定し、住宅ローンの返済に縛られることで生活上のリスクが生じかねないと考えているタイミングならば、無理に家を購入する必要はありません。
リスクをゼロにすることは困難ですが、もしリスクが生じたとしても対応できる水準まで貯蓄や収入が上がった時点で、改めて家の購入を検討してみると良いでしょう。
今買える家よりも、もっと良い家を買いたいと思っているタイミング
家を買うつもりはあるものの、今の貯蓄や年収で買える家よりも、もっと良い家を買いたいと考えているならば、適切な時期が到来するまで家の購入を据え置きましょう。
家は、自分や家族が一生を過ごす大事な財産です。妥協して望まない家を購入するよりも、十分に納得できる家を購入できる段階まで待つことも大事な姿勢です。
【まとめ】悩んでいるなら建築会社に相談してみよう
多くの方が家を買うきっかけとなったタイミングについてご紹介しました。
家を買うタイミングをお考えの方の中には、ハウスメーカーや建築会社、不動産会社などに赴いてタイミングを相談してみよう、と考える方がいるかもしれません。
専門家に相談することはとても大切ですが、どの専門家に相談しても、多くの場合は大人の事情により「今がまさに買い時!」という提案を受けるでしょう。
しかしながら、そのような提案・勧誘を前提にしても、やはり専門家の意見に耳を傾けることは大事です。
安易な勧誘で即決しないという強い意思を持ち、ぜひ複数の建築会社等に相談してみてください。きっと、自分にとって適切なタイミングを見つけられるきっかけになるでしょう。