2024.05.01

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新築物件の引き渡し時によくあるトラブルとは?回避・対処方法や注意点などを解説!

新築物件の引き渡しの際、施工会社と施主の間でトラブルが起こるケースは珍しくありません。
不具合や欠陥によって思わぬ費用が発生したり、住まいに不安を感じたりする状況に陥らないために、トラブルを回避する方法について知っておきたい人は多いでしょう。
この記事では、次の内容についてお伝えします。

・新築物件の引き渡し時によくあるトラブル
・トラブルを回避する方法
・トラブルが発生したときの対処法
・覚えておきたい「契約不適合責任」の追及方法

高額な資金をかけてつくるマイホームで、安心して心地よく暮らしつづけるために、ぜひこの記事を参考にしてください。

新築物件の引き渡し時によくあるトラブル

新築物件の引き渡しで、不具合や欠陥が見つかり、施工会社(売主・請負人)と施主(買主・注文者)の間でトラブルが発生するケースは少なくありません。
(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターの調査によると、住宅のトラブルで紛争処理を申請した69.9%が、引き渡しをしてから3年未満でした。
その中でも1年未満と回答したのは33%と最も多く、新築住宅でのトラブルが多く発生しているといえます。

そもそも「引き渡し」とは、施工会社による工事が完了したあとに、施主が建築費の残金を支払いや登記などの手続きをして、家が施主の所有物となることです。
一般的には、工事が完了して施主が建物の状態をチェックする「施主検査」で問題がないと確認したあと、引き渡しが行われます。
施主検査で不具合があれば、施工会社による補修後に施主が再確認し、改めて引き渡しとなります。

この引き渡しの際に発生するトラブルで多いのは、次の3つです。

・キズや汚れ、設備の不具合がある
・打ち合わせや事前説明と仕上がりが違う
・助成金を申請できなかった

ひとつずつ見ていきましょう。

キズや汚れ・設備の不具合がある

新築物件でよくあるトラブルでは、壁紙や床に汚れやキズが付いている、キッチンやトイレなど水回りの設備が正常に動かないといった不具合があります。
ドアや窓が正しく取りつけられていないために、スムーズに開閉できないケースも多いようです。

(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターの資料によると、外壁や基礎にひびが入っていたり、梁のたわみがあるなど建物の一部が変形していたりする例もあります。
また、入居後まもなく雨漏りが発生して、欠陥が発覚するケースも少なくありません。
建物の構造に関わるような欠陥は見えない部分に隠れている場合も多く、すぐに気づきにくいのが難点です。

参照:公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅相談統計年報2023

打ち合わせや事前説明と仕上がりが違う

打ち合わせや事前にあった説明と仕上がりが違っているトラブルもあります。
打ち合わせで決めた色や素材、設備のグレードと異なっている、オプションで変更したはずの箇所が標準仕様のままになっているなどです。

たとえば、次のようなケースです。

・壁紙の色や柄が違う
・床の素材が違う
・キッチンのグレードが違う
・エアコンの型が違う

施工会社に伝えたつもりでも、内容やイメージが正確に伝わっていないと仕上がりが変わってしまいます。
打ち合わせでは、画像などを使いながら施工会社との認識のずれをなくす工夫も大切です。
そのほか、請求金額が事前に伝えられていた金額と違うケースもあります。
仕様などで変更があったら、見積もり金額を慎重にチェックし、保管しましょう。

助成金を申請できなかった

注文住宅の引き渡しでは、助成金や補助金の申請ができずトラブルになるケースもあります。
施工会社による手続きのミスや説明不足などによって、施主が助成金や補助金の活用を希望していたにもかかわらず、申請できずに引き渡しとなるケースです。
具体的には、次のようなトラブルがあります。

・申請書類に不備があった
・申請期限を過ぎていた
・スケジュールが変更になり期限に間に合わなくなった

助成金や補助金を受けとるには、必要な性能や設備を備えた住宅を計画し、期限内に申請するなど、さまざまな要件を満たさなくてはなりません。
助成金や補助金は数十万から100万円以上と高額で、施主が新築資金の一部として見込んでいる場合、施工会社と施主の間で大きなトラブルになる可能性もあります。

新築物件の引き渡し時によくあるトラブルの回避方法

新築物件の引き渡しでトラブルを回避するには、次の5つの方法があります。

・引き渡し前に不具合がないかチェックする
・未完成の状態で引き渡しの書類にサインしない
・完成までのやり取りをすべて記録しておく
・助成金を受けとる要件を把握しておく
・ホームインスペクションに依頼する

順に解説します。

引き渡し前に不具合がないかチェックする

引き渡し前に、建物の内外を隅々までチェックしましょう。
多くのハウスメーカーや工務店では、引き渡し前に施主が建物を確認する「施主検査」の機会が設けられています。
施主検査では、図面や仕様書などを見ながら契約書や打ち合わせの内容と違っている箇所がないか、くまなく確認しましょう。
具体的にチェックしておきたいのは、次の点です。

■ドアや窓
・種類や色、サイズ、開き方は合っているか
・スムーズに開閉できるか
・すき間がないか

■照明・コンセント・スイッチ
・設置位置や数が合っているか
・照明は正常に点灯するか

■設備
・メーカーやグレード、型は合っているか
・正常に作動するか

■屋外
・外壁や基礎にひび割れがないか
・ブロック塀が境界の内側にあるか
・床下にゴミはないか

■室内全体
・内装にキズや汚れがないか
・壁紙や床材の色や柄、素材は合っているか
・家の傾きがないか
・異音がしないか

■天井裏
・点検口から見て雨染みはないか
・断熱材の施工に不備はないか

キズや汚れなど気になる部分があれば、遠慮せずに施工会社に報告しましょう。
床下や天井裏などは完成してからでは確認できないので、こまめに現場をチェックしておくと安心です。

完成するまでに引き渡しの書類にサインしない

まだ施工が完了していない箇所や、取りつけられていない設備があるなど、契約書や図面通りに工事が完成していない状態で「引渡完了確認書」にサインしないようにしましょう。
サインすると、完成品を受けとったと見なされ、不具合があっても施工会社に対応してもらえない可能性があります。
完成していない状態とは、食器洗浄機の入荷が遅れていて入荷待ちの状態などが該当します。

施工会社に「書面上だけサインをお願いします」と言われても、トラブルの原因になるため施工が完全に終わるまで、サインは避けましょう。
キズや汚れ、設備の不具合などの不具合があって補修を受けた場合も、契約通りに施工が完了したと確認できるまではサインを控えるのが重要です。

助成金の申請要件を把握しておく

助成金や補助金のトラブルを防ぐためには、自分自身で申請要件や期限などを把握しておきましょう。
まず、ご契約前の段階で施工会社に「助成金の申請を受けたい」と希望を伝えておき、申請期間や要件などを確認します。
事業によって、施主が申請すべきものと施工会社が申請すべきものがあるため、どちらのケースであるかについても把握しておく必要があります。

確認しておきたいのは、次の点です。

・申請期間
・交付時期
・備えるべき設備・性能
・必要書類

予算が上限に達したら期限前でも締め切られる事業もあるので、できるだけ早く申請するのがおすすめです。
自治体で運営している助成金・補助金事業については、役所などに問い合わせれば詳しく話を聞けるケースもあります。
施工会社に丸投げするのではなく、内容や要件、スケジュールなどを自分で確認しておきましょう。

補助金について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
注文住宅を建てる時に補助金を上手に利用するには?

やり取りをすべて記録しておく

引き渡しのトラブルでは、「言った」「言わない」の問題が起こりがちです。
これを防ぐためには、施工会社とのやり取りをすべて文書で記録しておくことが有効です。
特に注文住宅は、決める項目が多く変更もたびたび発生するため「いつ」「何を」決めたのか、変更した際はその都度、施工会社と施主でやり取りの内容を共有しておきましょう。
トラブルが発生した際は、これらの文書が証拠になる可能性もあります。

メールで何かを決定したり変更をしたりするときは、保存しておきます。
電話で重要な内容を話したときは、終話後にメールでも同じ内容を送っておくか、スマホアプリなどを利用して会話を録音しておくのがよいでしょう。
※相手の許可を得ずに通話を録音しても、違法行為にはあたりません

ホームインスペクションに依頼する

引き渡し前のチェックが大切だとわかっても、どこを見ればよいのかわからないときや、不安があるときは、ホームインスペクション(住宅診断)を依頼するのも選択肢のひとつです。
ホームインスペクションとは、住宅に詳しい専門家に第三者の視点で建物の不具合や欠陥の有無、補修すべき箇所を指摘してもらえるサービスです。
費用はかかりますが、長い期間住みつづける建物の状況を専門家にチェックしてもらえるのは安心です。

なお、ホームインスペクションの費用は業者や面積によって変動しますが、30坪ほどの戸建て住宅で4万5,000円~7万円程度が相場です。
2~3時間ほどの目視による診断で問題がありそうだと判断されたときは、さらに詳しい診断が必要になり、追加費用がかかります。

新築物件の引き渡し時にトラブルが発生した場合の対処法

新築住宅の引き渡しでトラブルが起きてしまったときの対処法は、次の4つです。

・写真を撮っておく
・施工会社に報告する
・国民生活センターなどに相談する
・契約不適合責任を追及する

それぞれ見ていきましょう。

写真を撮っておく

キズや汚れ、欠陥などのトラブルと思われる箇所を見つけたら、まず写真を撮っておきましょう。
スマホなどのカメラでも、問題ありません。
不具合や欠陥の程度を証明するための証拠になるので、1枚だけでなく、さまざまな角度から複数枚撮っておくのが安心です。
ビデオカメラで建物全体を撮影しておくのもよいでしょう。
全体を撮影した動画は、あとで必要になった部分を見返したり切り出したりできるため、録っておくと便利です。

施工会社に報告する

トラブルを発見したら、施工会社に不具合や欠陥のある箇所や現状について、早めに報告しましょう。
引き渡しのあとでも、補修してくれるケースもあります。
不具合の発生や補修によって引き渡しや入居が延期になると、仮住まいの賃貸料金がさらに増えるなど、費用がかかります。
遅延損害金を支払ってもらえるかについても交渉しましょう。

国民生活センターに相談する

施工会社に報告したものの、対応してくれない場合や話し合いで解決に至らない場合、「国民生活センター」に相談する方法もあります。
国民生活センターとは、さまざまな消費者トラブルの解決を目的とした国の機関です。
無料で相談できて、解決のためのサポートを受けられます。
何をすべきかわからないときは、ひとりで抱え込まず、第三者機関である国民生活センターに問い合わせてみるのがおすすめです。

参照:独立行政法人「国民生活センター

契約不適合責任を追及する

引き渡した物件が契約内容と異なっていて、施工会社に明らかな落ち度があるときは、「契約不適合責任」(民法第562条)を追及できます。
「契約不適合責任」とは、施工会社が引き渡した物が契約内容と違っているなどの不具合がある場合に、施工会社が施主に対して負う責任です。
引き渡しのあとにトラブルが判明したケース、欠陥があるとわかって引き渡しを受けたケース、どちらでも契約不適合責任を追及できます。

覚えておきたい”施工会社の契約不適合責任”

新築物件の引き渡しでトラブルがあったとき、施主は施工会社に「契約不適合責任」を追及できます。
契約不適合責任を追及するための要件や行使できる権利、必要な物について解説します。

◆要件
責任を追及するためには、引き渡した物が次の点で契約内容と異なっている必要があります。

種類が違う 例)右開きであるべきドアが左開きになっている
数が違う 例)コンセントの数が足りない
品質が違う 例)無垢フローリングであるべき床に合板フローリングが張られている

◆行使できる権利
施主には、「追完請求」「代金の減額請求」「損害賠償請求」「解除」の4つの権利があります。
あとで詳しく解説します。

◆必要な物
契約書や図面、仕様書などの契約内容が確認できるものと、契約と異なっていると証明できる写真や動画などの証拠を用意しましょう。

契約不適合責任の追及方法とは?

契約不適合責任の追及方法は、次の4つです。
ただし、施主に落ち度がある場合は、施工会社に責任を追及できません。

追及方法 概要
履行の追完請求 契約通りではない箇所の修補や交換、不足分の引き渡しを求める
代金減額請求 代金を減額してもらう
損害賠償請求 契約との不適合によって被った損害の賠償を請求する
契約の解除 当初の契約を解除する

◆ 履行の追完請求
契約通りではない箇所の修補や施工のやり直し、交換、不足分の引き渡しを求めることです。
契約の内容と異なっている箇所すべてが対象になります。

◆代金減額請求
代金を減額してもらう請求です。
履行の追完を求めても施工会社が期間内に応じないときや、履行の追完を拒絶したとき、履行の追完が不能なときなどに、不適合の度合いに応じた減額を請求できます。

◆損害賠償請求
契約不適合によって被った損害の賠償を請求できます。
たとえば、雨漏りによって家具が使えなくなってしまったときの買い換え費用などが該当します。

◆契約の解除
施工会社に履行の追完を催告しても対応してもらえないとき、施主は当初の契約を解除して、代金の全額返還を請求できます。
たとえば、床が著しく傾いていて補修ではカバーできないとき、建築請負契約の解除を求められます。

参照:民法第415条・第541条・第562~564条・第559条

契約不適合責任追及時の注意点

契約不適合責任を追及するとき、次の点に注意しましょう。

・追及できる期間に制限がある
・「契約書に記載されているか」が基準になる
・専門家にサポートを依頼する

追及できる期間に制限がある

引き渡しから10年間は、責任を追及できます。
ただし、不適合を知ってから5年以内に権利(追完請求・代金の減額請求・損害賠償請求・解除)を行使しなければなりません。

  施工会社への通知 権利の行使
種類・品質が違う場合 契約内容と異なっていると知ってから1年以内 ・引き渡しから10年以内
・不適合を知ってから5年以内
数が違う場合 期限なし

種類・品質が契約と違っている場合は、原則として契約内容と異なっていると知ってから1年以内に施工会社に通知する必要があります。
通知とは、単純に不適合がある箇所について知らせるだけで足ります。

契約と数が違っている場合、通知期間の制限はありません。

参照:民法第166条・第566条・第637条第1項

「契約書に記載されているか」が基準になる

契約不適合責任を追及できるかどうかは、「契約書に記載があるか」が基準になります。
仕上がりに不満があっても、契約書に記載されているとおりであれば、施主は契約内容に了承したものと見なされます。
事前に契約書に目を通し、納得できない箇所があれば施工会社に修正を依頼しましょう。

専門家にサポートを依頼する

契約不適合責任を追及する際は、弁護士などの専門家にサポートを依頼しましょう。
専門的な知識がないと、時間や労力がかかるだけでなく、施工会社に正当な権利を行使できない可能性があります。
本来受けられる補修や減額などを確実に受けるためには、専門家の知識を借りるのがおすすめです。

新築物件の引き渡し時にトラブルが発生した場合の注意点

新築物件の引き渡しでトラブルが起きてしまったときの注意点は、次の3つです。

・小さいキズや汚れは対応してもらえないケースもある
・書類を保管しておく
・アフターサービスの期間や内容を確認する

順に見ていきましょう。

小さいキズや汚れは対応してもらえないケースもある

小さいキズや汚れなど、生活に差し支えないほどの不具合は、対応してもらえないケースもあると認識しておきましょう。
特に引き渡し後は、施主がキズや汚れをつけた可能性もあり、施工会社によるものだと断定しにくくなります。
引き渡し前の指摘であれば、補修してもらえる可能性はあります。

書類は大切に保管しておく

契約から引き渡しが完了するまでに作られた契約書や図面、仕様書などは、大切に保管しておきましょう。
引き渡し前のチェックでは、実際の仕上がりと契約内容を照らし合わせるときにも使います。
契約書は一通り読み、おかしいと感じる箇所はないか、疑念があれば早めに施工会社に質問しておくのがおすすめです。
打ち合わせのやり取りを記録した文書は、施工会社と共有したうえで保存しましょう。

アフターサービスの期間や内容を確認する

ハウスメーカーや工務店のアフターサービスの期間や内容も確認しておきましょう。
多くの施工会社は、引き渡し後も、無料点検や修理などのサービスを設けています。
引き渡し後に不具合や欠陥が見つかった場合、指定の条件内であれば無償で不具合を補修してもらえる可能性があります。
あらかじめアフターサービスについて確認し、気になる点は施工会社に問い合わせておきましょう。

施工会社の選び方について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
注文住宅の依頼先はどう選ぶ?ハウスメーカー選びの見極めポイント6選

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まとめ

新築物件の引き渡しによくあるトラブルには、内装にキズや汚れがあったり、打ち合わせと仕上がりが違っていたりするなどの例があります。
トラブルを回避するには、引き渡し前に図面や仕様書と違っている点はないか、入念にチェックしましょう。
ハウスメーカー選びでは、オーナー様宅の完成見学会などで品質を確かめたりアフターサービスや保証について調べたりして、慎重に比較・検討することが大切です。

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この記事を書いた人

LOGOS HOME

ロゴスホームのスタッフです

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