2024.03.08

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注文住宅の購入時に頭金はいつ支払う?

注文住宅の頭金とは?支払いタイミングはいつ?

注文住宅の頭金とは?

注文住宅の「頭金」とは、ローンを組む際に現金で支払う資金のことです。頭金の額に決まりはありませんが、一般的に住宅購入価格の1~2割程度が相場だと言われています。
頭金がなくてもローンは組めますが、頭金を入れれば月々の返済額を軽減できたりローンに通りやすくなったりするなどのメリットがあります。
なお、申込証拠金と手付金は頭金とは別の費用ですのでご注意ください。

申込証拠金とは?

申込証拠金とは注文住宅の購入を申し込む際に支払う費用のことで、「私はこの物件を購入します」という意思表示にあたるもの。申込証拠金を支払えば、後で物件購入希望者が現れたとしても優先的に売買交渉を進めてもらえます。
申込証拠金の金額は、物件価格にかかわらず1~10万円程度を支払うのが一般的です。売買契約が成立すると手付金や住宅購入代金の一部に充てられ、手元には戻らないケースがほとんど。なお、購入申込をキャンセルした場合は申込証拠金が返金されます。

手付金とは?

一般的な額です。支払った手付金は物件購入時の諸費用や頭金に充てられ、手元に戻ることはほとんどありません。「契約を簡単にキャンセルしないための保証」という性質をもつため、買主が自己都合で契約をキャンセルするなら手付金を放棄することになります。
注意したいのが、住宅ローンの本審査に落ちたケースです。この場合でも買主都合の契約キャンセルとなるので手付金は戻ってきませんが、契約書に「住宅ローン特約」がついていれば返金されます。

住宅ローン特約とは

ローン審査に通らなかった場合、手付金が無利息で戻ってくるという特約条項です。売買契約書に融資申込先・融資承認取得期日・融資金額・融資利用の特約に基づく契約解除期日を記載し、その記載通りに申し込んだものの承認が取れない場合には解除できる、というもの。
審査に通るよう努力を怠ったケースでも本特約が適用されなかった事例があるほど適用条件が厳しい特約ですが、万が一のためにも契約書に記載されているか確認し、なければ記載するよう交渉しましょう。

注文住宅の頭金はいつ払う?

頭金は、契約を締結してから物件が引き渡されるまでの間に支払います。注文住宅の場合は契約から完成までの間に1年程度かかるケースもあるので、具体的な日にちはハウスメーカーと相談して決めましょう。支払いの一番遅いタイミングは物件の引き渡しを受ける「融資実行日」です。

注文住宅の頭金を用意するメリット

下記の理由をみると、住宅ローンを組むときは、なるべく多めの頭金を用意しておいた方がいいことがわかります。

  1. 住宅ローンの負担軽減
    頭金の額だけ返済総額が減ります。月々のローン支払い額も減額されるので、余裕が出たら貯蓄できるのは大きな魅力です。
  2. 金利負担の削減
    借入金額が減るので利息額も減らせます。頭金の割合によって金利を優遇してくれる金融機関なら、想定していた支払い見込額を大幅に減らせるでしょう。
  3. 銀行取引信用スコアの向上
    金融機関に「住宅購入に真剣に取り組んでいる」という印象を与えられるのもメリットのひとつです。その結果、信用スコアがアップし、ローン審査が有利に働く可能性があります。
  4. 返済期間の短縮
    頭金の支払いによって返済期間を短く設定することができます。ローン残高の縮小・利息軽減・早期の資産取得といったメリットがあり、とくに経営者や個人事業主の方におすすめです。
  5. ローン審査時の信頼向上
    返済額が少なくなれば「貸し倒れのリスクが低い」と判断され、ローン審査に通りやすくなります。ただし、そのためにはある程度まとまった額の頭金が必要です。

注文住宅の頭金を用意するデメリット

頭金を用意するデメリットのひとつが、手持ちの現金が減ってしまうことです。
将来の教育費や生活費といったライフプランを考えずに手持ちの貯金をすべて頭金として使ってしまうと、それらの費用が支払えなくなる可能性があります。
個人事業主や資産を運用している方なら、いくらよい資産運用法が見つかっても元金が少ないと投資や新規事業のチャンスを減少または消失させてしまうかもしれません。また、一時的とはいえ資金不足に陥ると借金や滞納に繋がりやすくなるので、融資先からの信用にも関わってきます。
頭金を支払っておくことで中長期的なメリットはありますが、それによって首が回らなくなってしまうのであれば本末転倒です。いざというときのためのお金は必ず残しておきましょう。

いつまでに払い終わる?注文住宅の住宅ローンと頭金の関係

統計資料でわかる住宅購入資金(頭金・自己資金・住宅ローン)

国土交通省発表の「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によると、はじめて注文住宅を建てた人の住宅建築資金と土地購入資金を合わせた購入資金の総額は、全国平均で約5,436万円です。このうち自己資金額の全国平均は約1,665万円で、残りの約3,771万円は住宅ローンによる借入。つまり、注文住宅を建てた人たちは、平均で総額の3割程度を自己資金で用意していることがわかります。
なお、この金額はすべて頭金に充当されたものではなく、将来的に入金が見込まれる退職金や贈与が含まれるため、頭金として3割相当額を用意したわけではありません。

※参照:国土交通省「住宅建築資金、土地購入資金」:
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001610299.pdf

注文住宅の頭金と住宅ローンシミュレーション

頭金の金額によって、月々の支払額や利息は大きく異なります。ここからは、頭金の金額ごとのローン総額および月々の返済額を紹介しましょう。ローンを組む際の参考にしてください。

<条件>頭金を含む総額は3,500万円・ボーナス時の支払い0円・金利0.475%の35年返済の場合

  1. 頭金0円(借入額 3,500万円):ローン返済額 37,996,863円(90,469円/月額)・返済額に含まれる利息額 2,996,863円
  2. 頭金100万円(借入額 3,400万円):ローン返済額 36,911,238円(87,884円/月額)・返済額に含まれる利息額 2,911,238円
  3. 頭金200万円(借入額 3,300万円):ローン返済額 35,825,613円(85,299円/月額)・返済額に含まれる利息額 2,825,613円
  4. 頭金300万円(借入額 3,200万円):ローン返済額 34,739,989円(82,714円/月額)・返済額に含まれる利息額 2,739,989円
  5. 頭金400万円(借入額 3,100万円):ローン返済額 33,654,364円(80,129円/月額)・返済額に含まれる利息額 2,654,364円
  6. 頭金500万円(借入額 3,000万円):ローン返済額 32,568,739円(77,545円/月額)・返済額に含まれる利息額 2,568,739円

※変動金利が0.475%のままで維持した場合の金額
※変動金利の利率は三井住友銀行のZEH住宅対象金利を採用

頭金0円だとローンの総返済額は約3,799万円ですが、頭金を500万円出せればローン返済額は約3,257万円になり、頭金0円と比べて利息が42.8万円も安くなります。月々の返済額も1.29万円ほど安いので貯蓄に回しやすく、賞与も加味した繰上げ返済も検討しやすくなるでしょう。

注文住宅購入における頭金の決め方

注文住宅購入の頭金平均額は、住宅価格に対しておよそ10~20%が相場。残りはローンになりますが、以下の項目はローン対象外なので別途自己資金で用意する必要があります。

<条件>土地が1,500万円、家屋が3,500万円の場合

  1. 印紙税:本則税率で6万円、軽減税率で3万円
  2. 不動産所得税:127.5万円
  3. 仲介手数料:契約による
  4. 火災保険料:6~11万円(保険会社のプランによる)

注文住宅の頭金は余裕をもって設定しよう

手持ちがない場合は頭金から支払うことになり、当初想定していた頭金の額が減ってしまうので、得られるメリットも少なくなります。
そのほか、家具や家電の買い換え・引っ越し費用・家族の病気・事故などの通院治療費・もしもの時の生活費なども残しておく必要があります。
これらの費用をすべて残したうえで頭金を準備するようにしましょう。頭金は必ず準備しなければいけないというわけではなく、余裕を持った金額を設定することが重要です。

注文住宅購入における住宅ローンの決め方

住宅ローンの無理のない借入額は、一般的に年収の5~6倍といわれています。例えば年収500万円の人の場合、2,500~3,000万円が目安となるラインです。
ローンの元本は、購入金額から頭金を引いた額。例えば3,200万円を借入れして200万円を頭金として支払った場合、元本は3,000万円です。ただし、実際の支払いには利息が含まれるのを念頭においてください。
住宅ローンの借入期間は最長35年ですが、ほとんどの金融機関は完済時の上限年齢を設けているので、ローンを組む年齢によっては35年に満たない期間での借入になります。
たとえ35年でローンを組めるとしても、収入が大幅に減る定年退職までには支払いを終えておきたいものです。

後付けで依頼する工事費はローンに組みこめない

地盤調査費や水道やガスの給排水工事、外構工事費といった「付帯工事費」は、一括で依頼すれば住宅ローンに組み込めます。別途依頼したり別業者に依頼したりすると住宅ローンに追加はできません。そういった場合はリフォームローンの利用が可能なので、もしものときは工務店に相談してみましょう。

注文住宅購入に使える住宅ローン減税とは

住宅ローンを利用して新築住宅を購入すると、「住宅借入金特別控除(住宅ローン減税)が受けられます。これは住宅ローンの年末残高に対して0.7%の所得税減税が受けられる制度で、控除期間は13年間です。

注文住宅の住宅ローン繰上返済について

住宅ローンの繰上返済とは、毎月のローン支払以外に残高の一部を前倒しで返済することです。方法は、毎月の返済額はそのままに返済期間を短縮する「期間短縮型」と、返済期間はそのままで月々の返済額を少なくする「返済額軽減型」の2種類。ローンの元金が減るので自動的に利息も減り、結果として支払総額を減らせます。まとまった金額を支払う意味では「ローン途中で返済する頭金」のようなものです。

繰上返済のシミュレーション例

条件は、当初借入金額が3,500万円・借入期間は35年・繰上返済のタイミングは10年目・借入金利は0.475%を維持していることとします。

  1. 期間を短縮する:残り25年が23年に短縮され、利息額が240,635円減少
  2. 返済額を変更する:月額が90,468円から83,374円になり、利息額も121,077円減少

計画的な貯蓄・住宅ローン控除を活用するなどし、上手に繰上返済していきましょう。

※参照:国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」:
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-1.htm

いつかは手に入れたい注文住宅のための頭金貯蓄方法

頭金はどうやって貯める?

頭金は給与から自動で天引きしてくれる「財形住宅貯蓄」を利用して貯めるのがおすすめです。財形住宅貯蓄は元利合計550万円まで利子が非課税になるうえ、1年以上積み立てを続けてなおかつ残高が50万円以上になると住宅金融支援機構の「財形住宅融資」という住宅ローンが受けられます。
ただし、財形住宅貯蓄は勤務先が制度を利用していなければ利用できないのがデメリット。その場合は銀行の「自動積立定期預金」など自動引き落としで貯蓄ができるものを利用し、銀行からの信頼度を高めながら頭金を貯めましょう。
注文住宅を購入した方のなかには、賞与や副業の給料・臨時収入などを頭金として貯めた・必要がなくなった車やオーディオなどの高額商品を売却した方もいます。

頭金はいつから貯める?今から貯めよう!

リクルートの調査結果によると、5年以上かけてマイホーム用の頭金を貯めた、という人は半数以上にのぼりました。
頭金の準備は、生活を圧迫しない程度に毎月地道にコツコツと貯めていくのが基本です。理想の注文住宅を無理なく建てるためにも、頭金の準備と長期的な返済計画を進めるようにしましょう。

※参照:スゴい住宅ローン探し(リクルート)「Data.5【どうやって・どのくらい貯める?】マイホーム購入の頭金みんなはこうやって貯めた!」:
https://finance.recruit.co.jp/article/data-05/


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