家なんか買える気がしないと思っている方必見!データと共に紹介

「賃貸住宅でも生活がカツカツなのに、家なんて買える気がしない…」と感じている方も多いようですが、「賃貸住宅での生活が厳しい=家は買えない」という図式は成り立ちません。

ここでは、国土交通省が公表している住宅関連データなどをもとに、実際に家を買っている方々の年収や年齢等をご紹介します。あなたと同じ年収でも、家を買っている方は多いかもしれません。

「持ち家:非持ち家」の割合

同僚や友達を含め「自分の周りには持ち家の人がほとんどいない」という方がいるかもしれませんが、客観的なデータによれば、持ち家の方の割合は、かなり高いのが現状です。

金融広報中央委員会が公表した情報によると、2人以上世帯の持ち家・非持ち家の比率は次のような結果となっています(2022年データ)。

  • 持ち家…68.1%
  • 非持ち家…31.9%

このデータにおける「持ち家68.1%」のうち、自分で家を購入した方と相続・贈与で家を手に入れた方の割合は次の通りです。

  • 自分で購入…57.7%
  • 相続・贈与…10.5%

2人以上世帯のうち、実に57.7%が「自力で買った家に住んでいる」ということになります。

なお、持ち家の割合は、年代が上がるにつれて上昇する傾向があります。参考までに、年代別の持ち家の割合を見ておきましょう(相続・贈与も含む)。

  • 20代…17.5%
  • 30代…47.2%
  • 40代…61.8%
  • 50代…71.9%
  • 60代…79.3%
  • 70代…80.8%

20代の持ち家割合は極端に低いようですが、30代以上になると割合が急上昇。40代では60%以上の世帯が持ち家に住んでいるという結果です。

参照:金融広報中央委員会|家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降)

結局、年収がいくらあれば家を買えるのか?

結論からいうと、「年収500万円なら家を買える」などの明確な基準はありません。年収と家の購入を関連づけるなら、「自分の年収ならいくらの家を買えるのか」という発想で検討を進めることになります。

年収倍率とは

家の購入を検討するにあたって、年収倍率という大事な考え方があります。
年収倍率とは、家の購入価格が年収の何倍に相当するかを示した数値のこと。住宅金融支援機構が公表しているデータによると、物件種別ごとの年収倍率は次の通りとなっています。

  • 注文住宅…6.8倍
  • 土地付注文住宅…7.5倍
  • 建売住宅…7.0倍
  • マンション…7.2倍

※参照:住宅金融支援機構|2021年度 フラット35利用者調査

世帯年収500万円でいくらの家を買うのが妥当か?

例えば、自分の年収が350万円でパートナーの年収が150万円の場合、合わせて世帯年収は500万円となります。この世帯年収に先の年収倍率を乗じれば、家の妥当な購入価格の目安が見えてくるでしょう。

  • 注文住宅…500万円×6.8倍=3400万円
  • 土地付注文住宅…500万円×7.5倍=3750万円
  • 建売住宅…500万円×7.0倍=3500万円
  • マンション…500万円×7.2倍=3600万円

この計算結果を見て、「意外に自分も家を買えるのでは?」と感じた方が多いのではないでしょうか?

ただし、これらの計算はあくまでも理論上の話。実際に住宅ローンを組む際には、ある程度の頭金を入れつつ年収倍率も低めに抑えたほうが、以後の返済は楽になります。

1つの目安としては、年収倍率5~6倍程度の物件を選び、かつ住宅購入費用の10%程度を頭金として入れておけば、おおむね安心して返済していけるのではないでしょうか。

【参考】いま、不動産は買い時か?

参考までに、不動産業界をサポートするハトマーク(全宅連)が公表したアンケート結果から、「いま、不動産は買い時か?」というテーマに関するQ&Aを見てみましょう。

Q.いま、不動産は買い時だと思いますか?(1つ選択)

  • 買い時だと思う…6.4%
  • 買い時だと思わない…26.4%
  • 分からない…67.2%

「分からない」と回答した方の比率が過去最高水準。判断が困難な状況であることが伺えます。

Q.買い時だと思う最も近い理由は何ですか?(1つ選択/買い時だと思う人のみ)

  • 今後、住宅ローンの金利が上昇しそうなので(今の金利が低いので)…36.8%
  • 住宅ローン減税など住宅取得の為の支援制度が充実しているから…30.5%
  • 不動産価値(価格)が安定または上昇しそうだから…22.3%

住宅ローンの借入に関し、近い将来の金利上昇を懸念している人が多いようです。

Q.買い時だと思わない最も近い理由は何ですか?(1つ選択/(買い時だと思わない人のみ)

  • 自分の収入が不安定または減少しているから…26.0%
  • 不動産価値(価格)が下落しそうだから…19.4%
  • 住宅ローン減税など税制優遇が見直されそうだから…12.7%

自分の収入を理由に家を買わない人が多いようです。昨今の急激な物価上昇も背景に、実質的な可処分所得が目減りしていると感じている方も多いでしょう。

※引用・参照:ハトマーク|9月23日は不動産の日 「不動産の日アンケート」 住居の居住志向及び購買等に関する意識調査 2023年2月

【まとめ】あきらめていたマイホームが手に入るかもしれない

「家なんて買える気がしない…」と感じている方に向け、家の購入に関する現実的なデータをご紹介しました。データを見て、「あれ、意外に買えるかも?」と考えが変わった方もいるのではないでしょうか?

昨今、高い住宅性能を持ちながら1000万円台(建物価格)で買えるローコスト注文住宅も誕生しています。年収だけではなく住宅価格にも注目すれば、夢のマイホームが手に入るかもしれません。

「買いたいのに買える気がしない」と半ばあきらめている方は、一度、建設会社などの専門家に相談してみるようおすすめします。